過労死・働き方改革

「ソニー」社員 過労死と認定 海外赴任中に心臓の病気で死亡(NHK、朝日新聞、他)

「ソニー」社員 過労死と認定 海外赴任中に心臓の病気で死亡(NHK)
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210316/k10012916971000.html

ソニー駐在員の労災認定 夫の過労死証明「私しか」(朝日新聞)
https://www.asahi.com/articles/ASP3H5T84P3HULFA00B.html

ソニーのドバイ(アラブ首長国連邦)にある販売会社で管理職だった男性(当時45)が2018年1月に突然死したのは長時間労働が原因だったとして、三田労働基準監督署が2月26日付で労災認定した、とのことです。

<事案の概要>

  • 労災と認められたのは、「ソニー」のドバイにある販売会社で管理職だった45歳の男性社員。
  • 遺族側代理人によると、
    • 2007年に正社員として入社→2015年にアラブ首長国連邦のドバイに赴任。
    • マーケティング部門に所属し、カメラやビデオ機器の販売などを担当していた。
    • 中近東やアフリカでの一眼レフカメラなどの営業強化を担い、連日深夜まで長時間労働していた。
    • 半年間で8回の国外出張をしたり、繁忙期は午前2〜3時を過ぎてから帰宅することもあった。
  • 2018年1月、心臓の病気で死亡した(心停止)。
  • 労災申請を労基署が調査した結果、男性は死亡直前3か月間の時間外労働が月平均で約80時間に上っていたことがわかり、2021年2月26日付で長時間労働が原因の過労死と認められた。

<ポイント>
長時間労働を証明するタイムカードなどの資料がなく、同社の社内調査では時間外労働が労災認定基準に満たないとされた。
そこで遺族らは長時間労働を証明するため、パソコンやSNSの利用履歴、遺族や元同僚の証言を独自に集めた。
独自調査により、死亡直前の3か月間の時間外労働は月平均200時間超にのぼるとした90ページにも及ぶ陳述書を作成。
それを受けて労基署は、死亡直前の3か月間の時間外労働は月平均で79時間53分でおおむね過労死ラインにあたると認定した。
海外駐在員の長時間労働は立証が困難だが、遺族側の綿密な調査と、労災の特別加入制度に入っていたことなどにより、労災が認められた希少なケース。

海外勤務は過労死リスクが高い

過労死・過重労働の原因
長期の海外赴任や頻繁な海外出張は、時差や、異文化や不慣れな環境などへの適応が心理的負荷となり、心身の健康を害しやすい働き方です。
日本国内の80時間残業と、海外赴任での80時間残業とでは、負荷の重さが異なり、後者の方が重くなるのは言うまでもありません。
海外勤務のある企業は、労働時間、環境、健康の管理に、国内以上に配慮しなければなりません。