医療や看護のみならず、トラブルが起こり得る全ての「場」で活用されるべきが、インシデントレポートです。
インシデントとは?アクシデントと違うの?という疑問に対し、学術的に解説すると難しくなるため、端的に説明すると、以下のようになります。
インシデントとは、事故などの危難が発生するおそれのある事態のこと。
アクシンデントとは、事故などの危機が発生した状態のこと。
事故要因はあるものの、それに気付き、事故に至る前に防ぐことができれば、インシデントで済みます。
危機を回避し、あるいはミスはあったのだけれども、損害が生じるような事故は起こらなかった状態です。
たとえば、車のスピードを出しすぎている状態です
インシデントでは終わらず、具体的な損失が生じるような事故に至った場合は、アクシデントとなります。
スピードの出し過ぎで追突事故を起こし、怪我を負った状態です。
危機管理においては、インシデントを起こさない、あるいはインシデントをアクシデントにしない対策が必要です。
業務遂行過程においては、人為的または外的要因によりトラブルが生じてしまうのを完璧に防ぐことはできません。
しかし、アクシデントの発生確率を1%でも下げること、またはアクシデントが起きたとしても損害を1%でも下げることができれば、大惨事を免れることができます。
ゆえに、インシデントの段階で、いつ・どこで・なぜ・誰により・どのような状況で・何が起きたのかを報告し、共有するシステムを整備することが有効です。
そのインシデントをアクシデントに発展させないために何をすべきか意見を出し合い、危機意識を含め組織全体で共有することが大切です。
そのシステムが、インシデントレポートです。
インシデントレポートをアクシデント防止に活用する上で重要なことは、インシデントの報告に対し過度に叱責したり非難したりしないことです。
報告してくれてありがとう、危機管理力を高めるための情報と機会を提供してくれてありがとうと、歓迎する風土づくりです。
もしも叱責・非難を受けるのであれば、誰も自分のインシデントを報告しなくなってしまうためです。
日々起こるミスやトラブルを、大問題に発展させず、小さいうちに消し止めるために、医療や介護、建設や教育など様々な現場でインシデントレポートを活用されることを推奨します。
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