専門家コラム新型コロナに関する話題・見解過労死・労災防止策等「働き方」に関する話題・見解

コロナと労災

【NHK】コロナと労災 夫の悲劇を繰り返さないで
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200808/k10012549511000.html?utm_int=news-new_contents_list-items_015

76歳の男性は、職場の同僚が新型コロナに感染した後、体調が悪化し、4月に陽性が確認され、入院後亡くなりました。
ご遺族は、会社からは納得のいく説明を得られないばかりか、心ない言葉を向けられたということです。
男性の職場では、「職場外で感染した」という説明が他の社員になされたそうです。
その後保健所が調査した結果、職場内で感染した可能性が高いことがわかりました。
6月になってからようやく会社が労災申請に動いた、という経緯です。

職場内感染を完全に防ぐことはできませんが、会社としてはできる限りの対策を講じるべきであり、事実を歪曲したり、感染者やその家族を中傷したりするような言動は絶対にあってはなりません。
感染源を特定できないのであれば、その事実のみを伝えるべきであり、予想や責任逃れで安易な説明をすべきではありません。

万が一社内で感染者が出た場合にはどのような対応を取るか、どのように関係各所に報告したり公開したりするか等々、あらかじめ取り決めてBCPに記しておくことが大切です。
もちろん、時と場合により、プライバシー保護と情報公開のバランスには柔軟に配慮しなければなりません。

ところで、業務に関連して新型コロナウイルスに感染した場合には、積極的に労災を申請されることが推奨されています。
厚生労働省が全国の労働局に出した通知では、医療従事者は業務外で感染したことが明らかな場合を除き、原則として労災と認める方針としています。その他の業種でも、感染経路が特定されていなくても、業務で感染した可能性が高い場合は労災と認めるとしています。

(1)国内の場合
ア 医療従事者等
患者の診療若しくは看護の業務又は介護の業務等に従事する医師、看護師、介護従事者等が新型コロナウイルスに感染した場合には、業務外で感染したことが明らかである場合を除き、原則として労災保険給付の対象となること。
イ 医療従事者等以外の労働者であって感染経路が特定されたもの
感染源が業務に内在していたことが明らかに認められる場合には、労災保険給付の対象となること。
ウ 医療従事者等以外の労働者であって上記イ以外のもの
調査により感染経路が特定されない場合であっても、感染リスクが相対的に高いと考えられる次のような労働環境下での業務に従事していた労働者が感染したときには、業務により感染した蓋然性が高く、業務に起因したものと認められるか否かを、個々の事案に即して適切に判断すること。
この際、新型コロナウイルスの潜伏期間内の業務従事状況、一般生活状況等を調査した上で、医学専門家の意見も踏まえて判断すること。
(ア)複数(請求人を含む)の感染者が確認された労働環境下での業務
(イ)顧客等との近接や接触の機会が多い労働環境下での業務

基補発0428第1号令和2年4月28日「新型コロナウイルス感染症の労災補償における取扱いについて」
https://www.mhlw.go.jp/content/11601000/000635285.pdf

会社が労災申請に応じてくれなくても、働く人本人やご遺族が申請することもできます。
思い当たる方は、労働基準監督署に相談するか、社会保険労務士や弁護士などにご相談ください。