スイスチーズモデルについては、以前ご紹介しましたので過去の記事(「スイスチーズモデルと危機管理」をご参照ください。
リスク管理に関する概念の一つ。スイスチーズの内部に多数の穴が空いているが、穴の空き方が異なる薄切りにしたスイスチーズを何枚も重ねると、貫通する可能性は低くなる。同様に、リスク管理においても、視点の異なる防護策を何重にも組み合わせることで、事故や不祥事が発生する危険性を低減させることができる。スイスチーズモデルでは、完璧な防護壁は存在しないと認識した上で、個々の防護壁が正しく機能するよう監視することが重要とされる。
(出典:コトバンク)
以前の記事では、風邪対策を例に解説しました。
新型コロナウイルス感染防止対策にそのまま応用することができます。
マスクさえしていれば接近しても大丈夫、
マスクさえしていれば手を洗わなくても良い、
換気さえしていれば密集しても構わない・・・
などのように、穴を一つ塞いだだけで安心してしまい他の穴からすり抜けるチャンスをウイルスに与えてしまっているケースが多くあります。
しかも塞いだつもりの穴も、塞ぎ方が不十分でウイルスがノックをしただけで簡単に破られてしまったり。
- マスクをしているはずが鼻や口が出ている
- そもそもマスクの感染しない・させない効果も100%ではない
- 換気の仕方が不十分
- 密集していなくても、少人数の中に感染者がいれば短時間の会話でも感染リスク
- 手の洗い方が不十分
- 手洗い後に手を拭くハンカチが汚れている・・・
そもそも、完全な防護策は存在しないと心得るべきです。
分厚い鉄壁を一枚築こうとするのではなく、いくつもの防護策を重ねて、少しずつリスクを減らしていく。
体内に入るウイルスの数を0にすることはできないかもしれませんが、消毒で2分の1、手洗いで10分の1、人と会わないことで100分の1と(感染症学的なことではなくイメージです)、確率を減らしていくしかありません。
●対策一つひとつを可能な限り「ちゃんと」機能させること
●対策をいくつも重ねること、が大切です。
職場では、スイスチーズモデルを用いた感染防止教育が有効です。
研修の実施について、お気軽にご相談ください。
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