トヨタと社員遺族が和解 男性自殺、パワハラ認め謝罪(2022年2月1日 朝日新聞)

トヨタと社員遺族が和解 男性自殺、パワハラ認め謝罪(2022年2月1日 朝日新聞)
https://www.asahi.com/articles/DA3S15190606.html

うつ病を発症し2010年に自殺したトヨタ自動車の男性社員の遺族が、同社に1億2千万円の損害賠償を求めた訴訟で、トヨタが解決金を支払い、過重業務や上司のパワハラが原因であると認め謝罪するなどの内容で、和解が成立した、とのことです。

記事によりますと、以下のような経緯があったということです。

  • 1990年 男性は技術者として入社し、部品などの生産準備業務に従事。
  • 2009年10月頃、うつ病を発症。
  • 2010年1月 自殺。
  • 2015年 遺族は労災認定を求め提訴したが、一審では敗訴し、控訴。
  • 2021年9月 二審の高裁で逆転勝訴。
    • 男性が、同僚の面前で威圧的な叱責を受け、これを1年近くにわたり継続的に受けていたこと、
    • それにより強い心理的不可をうけたこと、が認められた。
  • 2021年10月 トヨタ側から遺族に和解の申入れ(▼和解内容)
    • トヨタが責任を認め謝罪すること
    • 再発防止に取り組み、今後5年間遺族にも報告すること

トヨタは、本件への対応が不十分であったことが、2017年に再び起きた同社社員のパワハラ自殺につながった可能性を、認めたということです。

記事中でコメントされた弁護士の川人先生は、「労働問題を放置すると、法令を順守しなくてもよいという風潮が会計や品質の不正と行った他の分野に広がっていく」と、指摘なさっています。

近年相次いでいる大企業における不祥事や不正の背景には、パワハラをはじめとする職場環境の悪化と、閉鎖的な企業風土があるということです。

あるとき突然何もないところにハラスメントが沸き起こることはほとんどありません。
「火のないところに煙は立たず」と同様に、「火のないところにハラスメントは起こらない」と考えます。
長時間労働や、コミュニケーションの希薄化、上下の意思疎通ができない風通しの悪さ、短期利益至上主義などの労働環境や経営理念がベースにあり、そこから火種が育ち、炎上・延焼していくのです。
ハラスメントの防止・再発防止には、問題を表面的に摘み取るだけでなく、問題の根本を見極め、根こそぎ絶やす対策が不可欠です。