ハラスメント

トヨタ自動車 パワーハラスメント社員自殺 和解

トヨタ自動車 パワーハラスメント社員自殺 和解

社長主導でパワハラ認めたトヨタ 企業風土は改善可能か(朝日新聞)
https://www.asahi.com/articles/ASP666JTNP64UTIL03X.html

「トヨタ自動車の社員がパワハラが原因で自殺したことをめぐり、トヨタと遺族側が和解した」とのことです。
社長が遺族と面会し、社長の責任において企業風土を改善し再発防止を徹底すると約束したそうです。

記事によりますと、事件の経緯は以下の通りです。

  • Aさんは2015年4月に入社
  • 2016年以降、上司から暴言によるパワハラを繰り返し受けるようになった
    • 「こんな説明ができないなら死んだ方がいい」
    • 「学歴ロンダリングだからこんなこともわからないんや」
    • 「発言を録音してないだろうな。携帯電話を出せ」
  • 2016年7月、休職
  • 2016年10月、別の上司の下で復職したが、仕事で重圧がかかると手が震えた
  • 2017年7月、両親に「会社ってゴミや、死んだ方がましや」とメールを送る
  • 2017年8月、会社の同期に「自殺するかもしれない。ロープを買った」とメールを送る
  • 盆の帰省を終えて寮に戻ると、両親に「絶望都市に帰ってきたわ」とメール
  • 10月に死亡
  • 2019年9月、労災認定

パワハラ自殺、トヨタと遺族和解 人事評価基準を見直し(朝日新聞)
https://www.asahi.com/articles/ASP666GFNP62UTIL02Q.html

トヨタは、以下の改善方針を定めたといいます。

能力重視から人間性重視へ、評価基準を変更

管理職以上の約1万人(今年度は係長を含め約2万人)を対象に、「360度フィードバック」を導入。
上司や部下、社内外の関係者ら十数人で評価し、複眼的に人間性を分析し、適性がないと判断すれば所属長などにはしない。

独立した相談窓口を設置

パワハラを受けた際に声を上げやすいようどの部署にも属さない窓口を設置し、家族や同僚も相談できる他、ネットや匿名でも相談できるように整備した。
相談があった場合は事実関係の調査を綿密に行う。
精神科医が常駐する相談センターも設置した。

これほどの巨大企業で、独立した相談窓口がこれまでなく、ネットや匿名による相談ができない体制だったことに驚きました。
中小企業でも来年4月からパワハラ防止措置が義務化されます。
指針に定められている基本的で当たり前の対策を講じるだけでも、悲劇を防ぐ効果は十分にあります。

指導とパワハラの境界線が曖昧と言われますが、指導には必ず目的があり、その目的から逆算して、効果を最大化するためにはどのような指導が最善かを考えれば、人格否定や脅し、罵声が相応しくないことは明白です。

しかしなかなかそんな冷静でいられる余裕もありません。
ストレスや疲労をケアし、心にも頭にも余裕を持ち穏やかにコミュニケーションが取れるように、働き方全般を根本から見直すことが大切です。

「明日は我が社」です。
喫緊に体制を整えましょう。

ハラスメント対策について

相談窓口のあり方

相談者の不安

パワハラを受けた方の半数近くが、相談したり退職したりという行動を起こしていません。
その理由として、「何をしても解決にならないと思ったから」「職務上不利益が生じると思ったから」が多数を占めています。
相談する方は、以下のような不安を抱えています。

  • 相談・告発したことで不利益に扱われるのではないか
  • 面倒な社員、空気を読めない社員というレッテルを貼られるのではないか
  • 相談・告発したことを社内で言い触らされるのではないか
  • 相談・告発したことが加害者に漏れ伝わるのではないか
  • 相談担当者自身が加害者本人である
  • どうせ相談・告発しても解決してもらえないどころか、相手にもしてもらえないだろう
  • 相談・告発したことで逆に悪化する可能性の方が高い・・・

相談しやすい相談窓口

相談は、職場の潜在リスクを把握する上で貴重な情報提供となります。
病気も早期発見早期治療が鉄則であるように、職場の問題も早く見つけ早期に対処することで、致死率を下げることができます。
がんが全身に転移してからでは、完治は難しくなるでしょう。
迅速かつ適切な対処をし企業が健康であり続けるための第一歩が、相談窓口機能の活性化です。
上記のような不安を払拭し、「相談窓口は開放されていますよ!」とウェルカムな雰囲気を醸し出すことで、利用を促進することが大切です。

  • 相談担当者は男女2名以上の構成とします。
  • 総務部や人事部が自動的に担当するのではなく、口が堅く部下からの信頼の厚い方を選抜し担当者とします。
  • 社内配布チラシ、社内報、社内SNS、ポスター、カードなどを活用し、相談担当者と利用方法を積極的に広報します。
  • 社内広報の際は、相談担当者の写真、名前、直通の連絡先、「ウェルカムです」という旨の一言メッセージ等を掲載します。
  • 匿名での通報も可能とし、メール、投書でも受け付けます。
  • プライバシー保護の約束及び体制内容、相談者・通報者保護(不利益取扱をしない旨)の約束、相談を受けた後の対応方針等を共有し、相談窓口の透明性を広報します。
  • 社外にも相談窓口を設置し、社内には相談しづらい内容も取りこぼさず相談できる体制を整備します。

ハラスメント対策について