ハラスメント

三菱電機の新入社員死亡で労災認定「上司のパワハラ原因」と申請(毎日新聞、他)

三菱電機の新入社員死亡で労災認定 「上司のパワハラ原因」と申請(毎日新聞)
https://mainichi.jp/articles/20210311/k00/00m/040/285000c

「三菱電機の新入社員の男性が2019年に自殺したことについて、尼崎労働基準監督署が2月26日付で労災を認定した。」とのことです。

<事件の経緯>
当時20代の男性新入社員が、三菱電機生産技術センターに配属後、2019年8月に自殺。
現場には、当時の上司で教育主任だった30代の男性社員から以下のような暴言を受けたと書かれていた。
「次、同じ質問して答えられんかったら殺すからな」
「お前が飛び降りるのにちょうどいい窓あるで、死んどいた方がいいんちゃう?」
「自殺しろ」

この事件については、兵庫県警が2019年11月に、職場でパワハラがあったとして上司の男性を自殺教唆容疑で書類送検したが、神戸地検が20年3月に容疑不十分として男性を不起訴処分とした。

遺族は2020年9月に、自殺の原因は上司のパワハラであるとして、労災を申請。

2021年2月26日付で労災が認定された。

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三菱電機では、長時間労働やパワハラが原因で精神疾患や脳疾患を発症し、さらに自殺に至るケースが相次いでいます。
子会社の過労自殺も含めると、2014年以降だけでも、労災認定されたのは計7名以上、うち4名が自殺しているとのこと(それ以前もあったようです)。
この数字は異常です。

三菱電機は昨年、パワーハラスメントや過労自殺等労働問題の発生が相次いだことを受けて、「労務問題の再発防止に向けた新たな取り組みについて」方針を公表しました。

三菱電機「労働問題の再発防止に向けた」取り組み宣言

死に至らしめる言葉

  • 「バカ」「アホ」「お前はダメだ」などの人格否定発言
  • 「死ね」「殺すぞ」「自殺しろ」「生きてる価値ない」「死んでしまえ」「死んでくれ」など、命を脅かす発言

こうした言葉が業務上不要であるのは明白です。
「指導のつもりだった」等の言い訳は通用しません。

深い意味はなく、本当に死んで欲しいわけでもなく、ついうっかり軽はずみに出てしまった言葉だとしても、受け手は自尊心を深く傷つけられます。

受け手は、
本当に自分は無価値なのではないか、
生きていても気にかけてくれる味方もいないし意味がないのではないか、
死ねば誰かが自分を思い出し悲しんでくれるのではないか、
死ねば自分を傷つけた相手を苦しめ復讐できるのではないか・・・
・・・という思考が繰り返されるようになります。

言葉は命を奪う凶器になります。

他人の人格、価値を否定する権利は、誰にもありません。
上司も部下も先輩も後輩も、誰もが誰かの大切な家族であり、自分の奴隷でも所有物でもありません。

自分以外はみんな他人です。
他人は自分のものではありません。
相手が自分より目上か目下かではなく、自分と「自分以外の他人」という関係性です。

「丁寧」な風土づくり

コミュニケーションは湿度が重要です。
ドライすぎてもダメ、ウェットすぎても害になります。

暴言が吐かれるのは概ね「ウェット」な組織に多いです。
距離が近すぎて、あるいは近いと思い込んで、「親しき仲の礼儀」を忘れて、丁寧さや配慮を欠いた言葉を発してしまうのです。

組織内が非紳士的で乱暴になってきたら、「丁寧語を話す」ことを推奨してみてください。
「です・ます調」と、「呼び捨てにしない」というルールです。
上の方が下の方に話す際も、丁寧語を使うことにします。
すると、乱暴な雰囲気が減り、コミュニケーションだけでなく仕事にも丁寧さが加わります。

距離感と「無」の心

そして、人との距離感を意識してみます。
近すぎず、遠すぎない距離感。
これ以上は立入禁止だなというラインを、想像しながらコミュニケーションを取るようにします。
仕事上の人間関係には過度に感情を入れず、プロフェッショナルにふさわしい「無」の心をキープします。
誰かを傷つけたり、自分が傷つかないための、鎧としての「無」です。