初心忘るべからず

ジャニーズ事務所がなくなった。

生まれたときから当たり前にあって、そのときそのときのトップグループは時代の象徴で、ジャニーズがなかったらどんな世界だったのか想像もできないほどに日常に溶け込んでいた存在だから、いまだ現実味がありません。

どれほどの歴史と功績があっても、人権を害する企業は、存続できない。
これからはそれを証する象徴となるのでしょう。

人権侵害の基で築いた帝国は虚構であり、そこで働く人たちは真の姿や力を見せられていません。
組織で尊重され、受け入れられ、大切にされているという実感のもとで、人は安心してありのままの自分を表現し、力を出し切ることができるのです。

もしもこの事務所でも性加害などなく、すべての所属タレントさんたちが実力を正しく評価され発揮できる環境であったならば、どれほど素晴らしいエンターテインメントを世界中で魅せられていたのだろうと考えると、本当に残念でなりません。

企業に大切なのは、事業の理念や目的、理想を明確にし、その軸=初心を忘れないこと、すなわち信念であると考えます。
エンターテインメントの力で世界を元気にする、というビジョンがあるならば、そこから遡って、どうすればそれを実現できるか、どのような人材が必要か、その人材はどうすれば実力を発揮できるか、を突き詰めることが、経営戦略です。
言うまでもなく人権侵害は、企業の目的を達成するための経営戦略にはなり得ません。

投稿者

新田 和代
新田 和代
株式会社ケンズプロ代表取締役/社会保険労務士/行政書士