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厚生労働省が生活習慣病の予防策を強化

寿命は延びても不健康な期間は変わらず

厚生労働省が、生活習慣病の予防策を強化します。高齢者人口が増えるなか、健康に過ごせる寿命を延ばし、意欲ある高齢者が長く働けるようにするのが目的です。背景には、人手不足があります。
寿命は年々延びており、日常生活を制限なく送ることができる期間を指す健康寿命も延びていますが、健康でない状態で暮らす期間は、男女ともにほとんど変わっていません。
このままだと高齢化で病気を抱える人が増えるため、これに対応する必要があります。

予防対策は「ジム利用料の医療費控除拡大」と「自治体の予防事業支援」

厚生労働省は、インセンティブを強化することにより予防対策を強化する方針です。
その1つめは、生活習慣病の患者が医師の指導に沿ってジムなどで運動をすると医療費として費用を控除できる制度がありますが、その対象となるジムを増やすことです。
2つめは、生活習慣病の予防事業に力を入れる自治体に渡る交付金を増やすことです。

ジムの利用料が医療費控除になる要件

ジムで運動した場合に医療費控除の対象になるためには、次の3つの要件があります。

  1. 特定健康診査(いわゆるメタボ健診)において、高血圧症、脂質異常症、糖尿病などの生活習慣病である、または同等の状態であると診断された場合や、医師の「運動療法処方箋」に基づいて行う運動療法として行う運動であること。
  2. 厚生労働省が指定した「指定運動療法施設」で運動療法に取り組むこと。
  3. おおよそ週1回以上の頻度で8週間以上にわたって、施設での運動を行っていること。

2の「指定運動療法施設」であるジムや施設は全国で200カ所程度にとどまっています。
対象施設の要件として、健康運動指導士の配置や生活指導のための設備の設置、医療機関と提携していることが求められるためです。
今回の見直しでは、こうした基準を緩めるなど制度の使い勝手を検討し、対象となるジムを増やす方針です。
患者に有効な運動プログラムを処方する医師に対する診療報酬を引き上げることも検討します。

自治体の予防事業への交付金にメリハリをつけて競争を促進

平成30年度から実施されている「保険者努力支援制度」は、国民健康保険の財政基盤立て直しを主とする医療保険制度改革法に盛り込まれ、医療費の抑制で成果を上げた自治体に予算を重点配分する制度です。
今回の見直しでは、その交付金にいっそうメリハリを利かせる予定です。
自治体が手がける特定健康診査の実施率や糖尿病の重症化予防の取組みを点数化し、点数によって大きな差がつくようにして、自治体に予防対策の競争を促進するのが目的です。