ハラスメント

幹部自衛官 部下に暴言・暴行で停職の処分 自殺を機に発覚(NHK、他)

幹部自衛官 部下に暴言・暴行で停職の処分 自殺を機に発覚(NHK、他)
https://www3.nhk.or.jp/sapporo-news/20210326/7000032222.html

「千歳市に司令部がある陸上自衛隊第7師団の幹部自衛官が、複数の部下の隊員に対し暴言を発したり暴行を加えたりしていたなどとして停職の懲戒処分を受けました。部下の隊員の1人は去年7月に自殺した」とのことです。

事案の経緯

  • 加害者として懲戒処分(停職15日)を受けたのは、陸上自衛隊第7師団の第7飛行隊に所属する50代の幹部自衛官
  • 暴行を見過ごし、部下の自殺を防げなかったなどとして、同じ第7飛行隊に所属する40代の幹部自衛官ら2人を停職3日の懲戒処分とした
  • 2017年3月頃から2020年7月にかけ、部下の隊員10名に対しパワハラ行為を繰り返した
    • 指導の際に「バカ」「アホ」などと暴言
    • 尻を蹴る暴行
    • 座っている椅子を蹴る暴行
    • ペットボトルを投げつける暴行、等
  • 40代の幹部は「指導の範囲の度が過ぎている」として、50代幹部に注意していたが改善されなかった
  • 暴言を受けていた部下の隊員1人は2020年7月に自殺した

ダメ。ゼッタイ。暴力

暴力は犯罪です。
身体的に負傷するだけでなく、暴力を一度でも受けると、恐怖心に支配され、トラウマが残ります。精神的負傷です。

厚生労働省「心理的負荷による精神障害の認定基準」によると、以下のような出来事があった場合に精神障害を発症しやすくなると考えられます。
https://www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/rousaihoken04/dl/120427.pdf

心理的負荷「弱」の例

  • 上司等による「中」に至らない程度の身体的攻撃、精神的攻撃等が行われた場合

心理的負荷「中」の例

  • 上司等による次のような身体的攻撃・精神的攻撃が行われ、行為が反復・継続していない場合
    • 治療を要さない程度の暴行による身体的攻撃
    • 人格や人間性を否定するような、業務上明らかに必要性がない又は業務の目的を逸脱した精神的攻撃
    • 必要以上に長時間にわたる叱責、他の労働者の面前における威圧的な叱責など、態様や手段が社会通念に照らして許容される範囲を超える精神的攻撃

心理的負荷「強」の例

  • 上司等から、治療を要する程度の暴行等の身体的攻撃を受けた場合
  • 上司等から、暴行等の身体的攻撃を執拗に受けた場合
  • 上司等による次のような精神的攻撃が執拗に行われた場合
    • 人格や人間性を否定するような、業務上明らかに必要性がない又は業務の目的を大きく逸脱した精神的攻撃
    • 必要以上に長時間にわたる厳しい叱責、他の労働者の面前における大声での威圧的な叱責など、態様や手段が社会通念に照らして許容される範囲を超える精神的攻撃
    • 心理的負荷としては「中」程度の身体的攻撃、精神的攻撃等を受けた場合であって、会社に相談しても適切な対応がなく、改善されなかった場合

暴言

「バカ」「アホ」「死ね」などの暴言は、10代の子どもたちが友だちをいじめたり喧嘩したりする際に頻繁に使う言葉なので、軽い気持ちで発してしまいがちですが、業務指導の範囲外であることは明らかであり、人格否定です。
暴行に加え暴言が繰り返されていたとすれば、上記の「精神障害の認定基準」に照らし合わせると、心理的負荷「強」に相当する程度と考えます。