※本記事は、「顧問先従業員様配布用ニュースレター」で配信した内容を転載するものです。本記事の無断転載・盗用・二次利用は固く禁じます。
「おっしゃっていることは正しいし、ミスをした私が悪いのだけれども、言い方ってありますよね」
パワハラの被害を訴える方の多くが、同じことをおっしゃいます。
そして、そのように言われる上司側の多くが、能力が高く、完璧主義で、正しいことをおっしゃっています。
有能な上司は、正しいことを言っているのに、パワハラをするつもりはないのに、なぜ「パワハラだ」と言われてしまうのでしょうか。
<思い当たることはありませんか?>
- 自分と同じレベル・完璧さを求める。完璧以外は全否定
- 「〜べき(should)」にとらわれやすい、それを他人に押し付けがち
- 伝え方が直球。オブラートに包むとか、クッション言葉を使うなどはしない
- 余計な一言を付け加えがち
- 声が大きい
- 早口
- 言葉遣いが荒い
- 不機嫌そうな顔つき・無表情のことが多い
- ため息が多い
- 足音や物音(ドアの開閉や椅子の音など)が大きい
→もしも、チェックが付いたのなら、そこを変えるだけでも印象を変えることができます。
<「パワハラ」と言われないために>
間違っていることを「間違っている」、できていないことを「できていない」と言うのは、確かに正しい指摘なのですが、受け手は、心にぐさりと刺さり痛みを感じるものです。正しさだけでなく、伝わるか、受け止めやすいかを考えて、相手の心情に配慮して、優しく温かいコミュニケーションを心がけましょう。
- できない人に寄り添う「確かに難しいよね」の共感力が大切
- 得手不得手、覚え方、レベル、スピード等は人それぞれ。自分の「〜べき」を押し付けず、多様性を尊重する
- 思ったことをそのまま口にするのではなく、話す前に一旦考えて、言葉を選んでから話す
- 場の空気に適した声の大きさで、ニュースキャスターと同じくらいのスピードでゆったり話す
- 仕事上の人間関係に適した、丁寧で品のある言葉を使う。部下は家族でも友人でもない、大人の他人
- 口角を上げて、表情を緩めて
- ため息や舌打ちは控えて
- びっくりさせるような音を立てず、物を丁寧に扱う
<論破ではなく、意思疎通を>
ロジカルな上司がやってしまいがちなのが、「論破」です。
理詰めは、部下のやる気を削ぎ、意思疎通を妨げます。
まずは部下・相手の話を聞いてから、責めるのではなく教える、説明する。負かすのではなく、うまく動かし、活かして育てる、という意識で、キャッチボールをしましょう。
<上司というだけで既に存在に「圧」がある>
取り立てて威圧的な話し方や態度をしていなくても、上司は上司というだけで、部下にとっては既に一定程度の威圧感を持っているものです。
友だちに「馬鹿だな」と言われるのと、上司から「馬鹿やろう」と言われるのとでは、重みが全く異なります。
上司の何気ない、無意識に放った一言を、部下は重く受け止め、傷つき、その言葉にとらわれ長期的に苦しむこともあります。
上司側は「そんなこと言ったっけ?」と覚えていなくても、部下の記憶には刻まれています。
上司自身が持つ圧力と、自身の言葉の重みと影響力を自覚し、言動に責任を持ち、下位者に対してこそ、心情に配慮した礼儀正しく丁寧なコミュニケーションを心がけることが大切です。
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