保育所や障害者施設、介護施設などで、耳を疑うような虐待事件が相次いでいます。
背景には何があるのでしょうか。
https://www3.nhk.or.jp/sapporo-news/20221207/7000053191.html
https://www3.nhk.or.jp/sapporo-news/20221206/7000053124.html
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20221204/k10013912591000.html
虐待の加害者となった職員たちも、就職した当初から暴力的で残忍な人物だったわけではないはずです。
人の役に立ちたい、助けになりたいという福祉の心をもって、仕事を選んだに違いありません。
劣悪な労働条件と環境、職場文化などが、職員たちを悪魔に変えてしまったのでしょう。
以下の施策が必要と考えます。
労働条件の改善
職員の負担や業務の重要性・公共性、危険性等に見合った賃金と、就労環境の改善、社会的評価が必要です。
人員の補充・確保
人員不足により職員の負担が増大し、そのストレスを発散する矛先として利用者が被害を受けているケースが多いため、時間的にも精神的にも負担から開放されるよう、十分な人員を確保することが求められます。
トップダウンによる組織文化・風土・体質の改革
どの業種でも、文化はトップダウンで作られます。
トップと上司の、業務や利用者に対する向き合い方、姿勢、配慮などを、部下たちは真似するのです。
トップと上司たちが、現在の仕事に就いた頃の初心を取り戻し、福祉の意識を持ち、それを行動で体現することで、部下たちも良い方向に導かれるものです。
相談体制の整備
突然職員の人格が豹変し虐待加害者となるわけではありません。
利用者からの嫌がらせや、仕事に対する不満などがあり、それらを一人で抱え込んだ末に抱えきれなくなり心が平穏を失い、叩いてしまったのかもしれません。
不満や不安、辛さや悩みなどを気軽に相談し共有し話を聞いてもらえる場が必要です。
職員同士の連携・コミュニケーションの深化
人員不足により職員それぞれが時間的にも精神的にも肉体的にも余裕を失うと、人間関係が壊れます。
職員同士が連携したりコミュニケーションを図ったりすることで、業務が効率化され。負担が軽減します。
決して綺麗で楽で楽しいとはいえない仕事です。
ですが、福祉の仕事ほど、利他的で高く誇れる仕事はありません。
しかし実際には利己的なトップのもと、誇りを持てずに不満を利用者にぶつけてしまっている、そんなケースが後を断ちません。
国や自治体の支援と同時に、トップが「現場に誇りを」という強い信念をもって、労働環境改善に取り組むべきです。
福祉従事者の処遇を改善することは、自分の大切な家族を預ける国民の安心に直結するのですから、全国民が、他人事ではなく自分ごととして考えるべき社会問題です。
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