ハラスメント

芦屋市が10カ月訴え放置 幹部パワハラ問題で第三者委が再調査結果公表(神戸新聞)

芦屋市が10カ月訴え放置 幹部パワハラ問題で第三者委が再調査結果公表(神戸新聞)
https://www.kobe-np.co.jp/news/sougou/202105/0014304663.shtml

「兵庫県芦屋市の男性幹部(当時)が部下へのパワーハラスメントで懲戒処分された問題で、市が設けた第三者委員会は7日、2019年8月に部下らが連名で被害を訴えながら、市側が約10カ月間、事実上の放置をしていたとする調査報告書を公表した」とのことです。

記事よりますと、事案の概要は以下のとおりです。

  • 2019年8月、部下たちが連名でパワハラ調査を求めて「申出書」を提出した。
    幹部は部下に対し精神的な攻撃や過大な要求を繰り返し、「なめてんのか」と激怒して自身の机を蹴り飛ばしたり、「頭おかしいんちゃうか」と叱責したりしていたといい、心身の不調を来す職員も複数いた。
  • しかし当時の人事課長は「パワハラに当たらない」として面談などにとどめ、苦情処理委員会には諮らなかった。
  • 市長と副市長も部下と面談して事情を聴き、パワハラに当たるという意識はなく、幹部に口頭で改善を求めるにとどめていた。
  • 2020年6月、市議の一般質問で問題が表面化。監査を求める決議案が本会議で可決され、市は内部調査を設けた。
  • 市の内部調査委員会が2020年8月に男性幹部のパワハラを認め、市は1か月の懲戒処分とした。
  • しかし市議会が「内部調査では不十分」とし、第三者委員会が再調査していた。

迅速かつ適切に対応

パワハラの相談や通報を受けた際には、迅速かつ適切に十分に調査を行うことが鉄則です。
この第一段階で面倒だからとか不利な結果を恐れてなどで調査を怠ると、一層面倒で不利な結果を招きます。

たとえ調査の結果ハラスメント事案が確認されなかったとしても、このような相談や通報があること自体、組織に何らかの不具合が生じているという明白なシグナルなのです。

事実関係の確認に当たっての留意点

事案に係る事実関係を迅速かつ正確に確認することが必要です。

  • 事案が生じてから、誰がどのように対応するのか検討するのでは対応を遅らせることになります。迅速かつ適切に対応するために、問題が生じた場合の担当部署や対応の手順などをあらかじめ明確に定めておきましょう。
  • 事実確認は、被害の継続、拡大を防ぐため、相談があったら迅速に開始しましょう。
  • 事実確認に当たっては、当事者の言い分、希望を十分に聴きましょう。
  • セクシュアルハラスメントについては、性的な言動があったことが事実関係の確認で重要となってくるのに対し、妊娠・出産・育児休業等に関するハラスメントやパワーハラスメントは、関連する言動があったことだけをもってハラスメントと判断できない場合があり ます。業務上の必要性や、その言動の前後関係も含めて判断する必要がある点に、留意する必要があります。
  • 事実確認が完了していなくても、当事者の状況や事案の性質に応じて、被害の拡大を防ぐため、被害者の立場を考慮して臨機応変に対応しましょう。
  • ハラスメントがあったのか、又はハラスメントに該当するか否かの認定に時間を割くのではなく、問題となっている言動が直ちに中止され、良好な就業環境を回復することが優先される必要があることは言うまでもありません。

行為者に対して事実確認を行う際には、中立な立場で行為者の話を聴きましょう。行為者も大切な労働者の一人ですから、最初から犯人扱いをしたり、語気を荒げたりすることなく、事実をしっかり聞き取ることが大切です。
相談者の認識に誤解があった場合にも、相談者が会社に居づらくなったり、報復を受けたりしないように配慮して事実確認を行いましょう。
通常は、相談者と行為者に事実確認を行い、意見が一致しない場合に第三者に事実確認を行います。ただし、緊急性が高い場合や、証拠隠滅の恐れがある場合は、行為者の前に第三者に事実確認を行うことも考えられます。

行為者が経営者や役員の場合

行為者が経営者や役員の場合であっても、職場におけるハラスメントを放置することは、企業や経営者自身が法的な責任を問われる可能性があります。
行為者となった経営者や役員に、ハラスメント行為をされた従業員は、モチベーションが低下し、職場の雰囲気も悪くなり、職場の生産性も低下することをしっかり理解してもらい、会社から職場におけるハラスメントをなくすために、まず、経営者や役員の方がハラスメント行為を行わないことが重要であることを伝えていきましょう。
ハラスメント防止対策に理解を得られない場合は、会社として防止対策を怠った場合の社会的なリスク(裁判例等)について、行為者に説明することも考えられます。