ハラスメント医療・介護

道立看護学校 ハラスメント疑われる訴え のべ94件(NHK)

道立看護学校 ハラスメント疑われる訴え のべ94件(NHK)
https://www3.nhk.or.jp/sapporo-news/20210715/7000036564.html

問題となっている道立江差高等看護学院を含む道立の看護学校の教員が不適切な言動で指導をしているという相談が相次いだ問題で、調査を行っている第三者委員会は生徒への聞き取り調査などの結果、ハラスメントが疑われる訴えが延べ94件寄せられたことを明らかにした、とのことです。

江差高等看護学院と紋別高等看護学院では複数の教員による不適切な指導についての相談が相次いでいるそうですが、もともと紋別から江差に異動した同一の教員が、紋別でも江差でも不適切な指導やいじめをしていたといいますので、この教員がハラスメント文化を伝播させたとも考えられます(勝手な空想ですが)。

なお、94件のうちの約7割を、江差の件数が占めていたとのことです。
今後、第三者委員会が調査を進め、結論を出す方向ということです。

HTBの取材によりますと、江差高等看護学院では、以下のような暴言があったといいます。
「あんたなんて死んだ方がいい。」
「殴るよ、蹴るよ。」
「あんたに指導する価値はない 」
「ペンでぶっさすぞ。」
HTBのホームページでは、特集動画をご覧になることができます。
https://www.htb.co.jp/news/harassment/

理想と希望を胸に入学した夢の看護学校で、信頼され尊敬されて然るべき立場にあるはずの教員たちから、人格を否定するような暴言や尊厳を奪うような暴力を受け、自信を失い、夢を諦め、体調を崩したり休学したり退学したりしている生徒さんが多数いらっしゃるというのは、胸が締め付けられる思いです。
人間不信にもなるでしょう。

知識や経験を磨き、応援し、看護職にふさわしいプロフェッショナルに育てるのが、教員の使命です。
能力を潰し、選択肢を奪い、支配する者に、教員である資格はありません。

アカデミックハラスメントについて

アカデミックハラスメントとは、「大学などの学術機関において、教職員が教育・研究上の権力を濫用し、ほかの構成員に対して不適切で不当な言動を行うことにより、その者に対して修学・教育・研究ないし職務遂行上の不利益を与え、あるいはその修学・教育・研究ないし職務遂行に差し支えるような精神的・身体的損害を与えることを内容とする人格権侵害のこと」です。

特定非営利活動法人(NPO)アカデミック・ハラスメントをなくすネットワーク(NAAH)は、研究教育に関わる優位な力関係のもとで行われる理不尽な行為 “と定義しています。

大学におけるハラスメントが想定されていますが、高等学校や短期大学でも教諭と生徒・学生の位置関係は大学におけるそれと大差ありませんので、同様に考えることができるでしょう。

パワハラとの違い

明白な主従関係

基本はパワハラと同じ。パワハラの大学版ですが、大学は自分の専門や将来に関わる学問の場ゆえに、仕事と異なり「嫌なら辞めればいい」という逃げ道がないため上位者による強制力・拘束力が強く、目標や夢を質に取られている下位者は拒絶・抵抗の自由がないという点でパワハラよりも深刻です。

一般化しにくい

明白な主従関係を背景として、特に被害者が学生の場合は職場のように労働者の権利や労働基準法による保護が及ばないため、学問の自由や人権等という壮大なテーマを盾にすることとなり、被害者の泣き寝入りに終わってしまうケースが多いです。
また国民の多くが経験しているパワハラやセクハラと異なり、問題を見聞きした者の多くにとって未経験のハラスメントであるため、自分ごととして捉えられないことから、一般的な議論になりにくいのが特徴です。

正当性の基準がわかりにくい

パワハラと指導の境界線も曖昧ですが、アカハラはさらにわかりにくいのが特徴です。
多くの企業には評価基準があるため、上司個人の裁量により差別的評価をしたり厳しく指導したりすることが一定程度制限されていますが、学校では教職員個人の裁量に委ねられているところが大きく、個人的感情や利権などが絡みやすくなります。
また教職員はそれぞれその分野の専門家であるため、「育てるため」とされれば周囲が一般常識を用いて反論することが心理的に難しくなります。

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