ハラスメント

郵便組織の元幹部に有罪判決 内部通報めぐり強要未遂(朝日新聞)

内部通報者保護

郵便組織の元幹部に有罪判決 内部通報めぐり強要未遂(朝日新聞)
https://www.asahi.com/articles/ASP685TNKP68TIPE00M.html

郵便局の内規違反を内部通報したことを認めるよう配下の郵便局長に強いたとして、強要未遂罪に問われた「福岡県筑前東部地区連絡会」(日本郵便の組織)の元統括局長に対し、懲役1年執行猶予3年の判決が言い渡された、とのことです。

起訴状(3月31日付)によると、以下のような経緯があったといいます。

強要未遂罪

2019年1月24日、元統括局長は、同連絡会に所属する郵便局長が内規違反について内部通報したと疑い、この郵便局長(内部通報者)に内部通報したことを認めるよう強要したとされています。
その際「(内部通報者に)お前の名前絶対にないね」「(あったら)辞めるか。断言できるね」などと発言。

2019年3月、日本郵政は、「通報者捜し」をしたことについて元統括局長を戒告処分としました。

2020年1月、福岡県警が強要未遂の疑いで書類送検しました。

(別件)内部通報者へのパワハラ問題

さらに、被告は当時、日本郵便九州支社副主幹統括局長も務めており、2019年10月、連絡会の役員2人とともに、連絡会所属の郵便局長7人から慰謝料を求める訴訟を起こされています。

被告の息子である郵便局長の内規違反を内部通報した原告らに対し、「(通報者を)つぶす」などと被告が脅し、精神的苦痛を与えたとされています。

通報者の一部は地元の郵便局長会を除名されたり、圧迫されて休職したりしたといいます。

今年、「新たな非違が認められた」として、元統括局長を含む7人が停職などの懲戒処分となりました。
統括局長を含む局長2人が停職、3人が減給、2人が戒告。
通報者捜しに加担したり、通報者に降職を迫ったりした局長が含まれるとのことです。

日本郵政、郵便局長7人に懲戒処分 内部通報者を恫喝(朝日新聞)
https://www.asahi.com/articles/ASP437563P43ULFA00B.html

日本郵便の現状

「有識者委員会の検証報告書によると、郵政グループの内部通報の「社外窓口」に寄せられた通報の内容は、担当弁護士がすべて日本郵政側に伝えている。本人の同意を得ず、通報者を特定できる情報も流しており、各子会社にも共有される。一方で、子会社の日本郵便は、通報対応を傘下の支社に丸投げする例が多く、支社の担当者は十分な調査能力が備わっていない状況」(朝日新聞記事より)だといいます。

日本郵政は、(有識者委員会の)指摘を受け速やかに改善を図るとしています。
「通報者の保護を徹底させるため、社外窓口は独立した外部専門家が自ら調査もする仕組みに刷新し、情報共有の範囲を明確にする方向」(朝日新聞記事より)とのことです。

パワーハラスメント(パワハラ)の加害者が負う責任

ハラスメントは、被害者が傷を負うだけでなく、加害者にもブーメランにように返ってきて、深いく大きな傷を残します。

  • 刑事罰を受ける
  • 民事責任を負う
  • 就業規則に従い懲戒処分を受ける(懲戒解雇もあり得る)
  • 地位も名誉も信頼も失う
  • 報道やSNS等で氏名や個人情報が拡散される
  • 自身及び家族、関係者が誹謗中傷を受ける
  • それにより自身及び家族、関係者がストレスにより心身の健康を損なう(自殺もあり得る)
  • 人間関係が破綻し、孤独に陥る
  • 被害者の被害状況によっては罪悪感に一生苛まれる

悔しさ、腹立たしさ、自己防衛、嫌悪等の一時的な感情や目的のために、他者を脅し、人格を否定し、攻撃し、不快感を与えることで、たくさんの大切なものを失うことになります。
全く割に合いません。

権力者だからこそ、自分の言動が、相手、組織、家族、そして自分自身に及ぼす影響の大きさを常に想定し、言動を律することが求められます。

内部通報者保護

消費者庁の公益通報者保護内部通報制度ガイドラインによると、内部通報制度を整備するに当たっては、コンプライアンス経営の徹底を図るため、通常の通報対応の仕組みのほか、例えば、社外取締役や監査役等への通報ルート等、経営幹部からも独立性を有する通報受付・調査是正の仕組みを整備することが適当、とされています。

以下、ガイドラインより抜粋。

秘密保持の重要性

通報者の所属・氏名等が職場内に漏れることは、それ自体が通報者に対する重大な不利益になり、ひいては通報を理由とする更なる不利益な取扱いにもつながるおそれがある。
また、内部通報制度への信頼性を損ない、経営上のリスクに係る情報の把握が遅延する等の事態を招くおそれがある。
このため、以下のような措置を講じ、通報に係る秘密保持の徹底を図ることが重要である。

  • 情報共有が許される範囲を必要最小限に限定する
  • 通報者の所属・氏名等や当該事案が通報を端緒とするものであること等、通報者の特定につながり得る情報は、通報者の書面や電子メール等による明示の同意がない限り、情報共有が許される範囲外には開示しない
  • 通報者の同意を取得する際には、開示する目的・範囲、氏名等を開示することによって生じ得る不利益について明確に説明する
  • 何人も通報者を探索してはならないことを明確にする
  • これらのことを、経営幹部及び全ての従業員に周知徹底する

解雇その他不利益な取扱いの禁止

内部規程や公益通報者保護法の要件を満たす通報や通報を端緒とする調査に協力(以下「通報等」という。)をしたことを理由として、通報者等に対し、解雇その他不利益な取扱いをしてはならない。

前項に規定するその他不利益な取扱いの内容としては、具体的には、以下のようなものが考えられる。

  • 従業員たる地位の得喪に関すること(退職願の提出の強要、労働契約の 更新拒否、本採用・再採用の拒否、休職等)
  • 人事上の取扱いに関すること(降格、不利益な配転・出向・転籍・長期出 張等の命令、昇進・昇格における不利益な取扱い、懲戒処分等)
  • 経済待遇上の取扱いに関すること(減給その他給与・一時金・退職金等に おける不利益な取扱い、損害賠償請求等)
  • 精神上生活上の取扱いに関すること(事実上の嫌がらせ等)

【消費者庁】公益通報者保護法と制度の概要
https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_system/whisleblower_protection_system/

ケンズプロ「外部窓口」への委託

当社は、消費者庁のガイドラインに沿い、適正かつ予防策としても有意義な窓口体制により、貴社のコンプライアンスをサポートいたします。

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