高齢者の雇用・就業機会の確保に関する検討について

11月15日、第90回職業安定分科会雇用対策基本問題部会で、70歳までの就業機会の確保措置に関する議論が行われました。

今回の資料で新たに示された内容は、次のとおりです。

【法律上の努力義務を負う事業主】
70歳までの就業確保についても、60歳まで雇用していた事業主が、法律上、努力義務を負うと解することが適当

【労使での話し合いの趣旨】
① どの選択肢を用意するかについての話し合い
② 複数制度を導入した場合に個人にどの制度を適用するかについての話し合い

【「個人とのフリーランス契約への資金提供」および「個人の起業支援」で事業主が実施する内容】
制度について:定年後または65 歳までの継続雇用終了後に創業(フリーランス・起業)する者との間で、業務委託契約を締結する制度を創設する
対象となる事業について:どのような事業を制度の対象とするか、事業主が導入する制度の中で定める

【「個人の社会貢献活動参加への資金提供」で事業主が実施する内容】
制度について:定年後または65歳までの継続雇用終了後に以下のいずれかの事業による活動に従事できる制度を創設する(②の場合、当該団体との間で、定年後または65 歳までの継続雇用終了後に事業に従事させることを約する契約を締結)
① 事業主が自ら実施する事業
② 事業主が委託、出資する団体が行う事業
対象となる事業について:どのような事業を制度の対象とするか、事業主が導入する制度の中で定める

【事業主の履行確保を図るための仕組み】
① 厚生労働大臣による70歳までの就業確保措置導入に関する計画作成の指示
② 事業主による計画の作成、提出
③ 厚生労働大臣による、計画が著しく不適当である場合の変更の勧告および計画の適正な実施に関する必要な勧告

【再就職援助措置・多数離職届出の対象者】
現行(下記①・②)に加えて、③・④により離職した45 歳以上65 歳未満の者を対象者に加える。
① 解雇(高年齢者の責めに帰すべき理由によるものを除く)による離職
② 事業主が、雇用確保措置の制度対象者を限定し(令和7年3月末までの経過措)、当該制度の対象とならなかった場合その他事業主の都合による離職
③ 事業主が措置を講じない場合(67 歳までの制度を導入する場合等を含む)に70 歳未満で退職
④ 事業主が対象者を限定した制度を導入した場合、65 歳以降の就業を希望しつつも、制度の対象とならなかったため離職

【高年齢者雇用状況報告書】
70 歳までの就業確保措置の新設に伴い、新たな措置に関する状況を報告事項に追加

なお、同部会では中途採用に関する情報公表に関する議論も行われ、大企業(301人以上)にのみ義務を課す等が検討されました。

詳細は、下記リンク先にてご確認ください。

第90回職業安定分科会雇用対策基本問題部会資料(資料)
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_07851.html

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株式会社 ケンズプロ
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