ハラスメント

24時間勤務明けに業務指導20年 パワハラ自殺を認定(朝日新聞)

24時間勤務明けに業務指導20年 パワハラ自殺を認定(朝日新聞)
https://www.asahi.com/articles/ASP3B653HP3BTIPE01T.html

熊本県菊陽町の菊池広域連合消防本部は、2020年4月に救急救命士の男性係長(当時47)が自殺した問題で、男性上司から継続的なパワハラを受けていたとの調査報告書を公表した。パワハラの一部は20年以上続いていたとし、自殺との因果関係も認めた、とのことです。

<事件の概要>

  • 自殺したのは、当時47歳の救急救命士=男性係長
  • 1998年頃から20年以上にわたり、月に数回、上司が男性の24時間勤務明けの朝に男性宅を訪れ、正午〜夕方ごろまで業務指導をしていた。
  • 業務上不要な電話を頻繁にかけ、男性の担当外の業務を依頼していた(アパートの図面などをまとめた台帳500冊以上の整理)。
  • 亡くなるまで男性は不眠などの症状を訴え入院していた。
  • 2020年4月、入院していた病室で自殺。
  • 病室にはパワハラを訴える内容の遺書が残されていた。
  • 遺書には、上司の名前と、「パワハラ、おどし、いつもそういう事ばっかり」などと書かれていた。
  • 消防本部は第三者委員会を設置し、昨年6月から計17回の会合を開き、パワハラの有無などを検証していた。
  • 調査委員会は、パワハラによって男性が心理的負荷を蓄積させ、うつ病を発症したと指摘。遺書の内容も踏まえ、「パワーハラスメントと自殺との間には因果関係が認められる」と結論づけた。

個の侵害

過度な監視や私的な領域への立ち入りといった「個の侵害」は、頻繁に起こるパワハラ行為類型の一つです。
24時間365日上司に監視されているような錯覚を覚え、電話音がなるだけでビクッとしたり吐き気がしたりという精神状態に陥ります。

過大な要求

業務外のことを命じ、不必要に部下を拘束することは、権力の濫用です。

負荷の積み重なり

上司の目的が何だったのか、厳しく指導したかったのか、それとも嫌がらせをしたかったのかは不明ですが、業務の適正な範囲を逸脱しているのは明白です。

24時間勤務というだけでも過重労働なのに、厳しすぎる指導(パワハラ)も加わり、業務量も増やされて・・・という状況(の全部または一部)が20年間も続いたのです。
どれほど辛かったことでしょう・・・想像するだけで胸が苦しくなります。
毎日毎日、「今日は何を怒られるのだろう」「今日もまた長時間罵倒されるのか・・・」という恐怖心に支配され、生きている心地がしなかったのではないかと推察します。
暴言を浴びながら、台帳の整理をしながら、「自分は何のために生きているのだろう」と、何度も自問したのではないでしょうか。

救急救命士という職業自体、精神的緊張が多く心理的負荷の重い職種です。
業務内容+長時間労働+パワーハラスメントと重なれば、精神障害の発症に至るのは必然です。

20年の間に、SOSはなかったのか、救う機会はなかったのか、組織は見て見ぬふりをしてはいなかったか、見ていたのなら対策を講じられなかったのか・・・未来につながる検証をしていただきたいです。