カスタマーハラスメント(カスハラ)対策の必要性

カスタマーハラスメントは、従業員、企業、他の顧客等に、甚大な影響を及ぼします。
特に、従業員への影響として、精神的な負担が大きく、業務のパフォーマンスが低下する他、深刻な場合には健康不良や精神疾患を招き、休職や退職につながるケースもあります。
厚生労働省の調査では、「怒りや不満、不安などを感じた」(67.8%)、「仕事に対する意欲が減退した」(46.2%)という影響が高い割合ですが、「眠れなくなった」「通院したり服薬をした」といった回答も見られ、心身の健康に深刻な影響が出ているケースもあります。

企業としては、直接的なやり取りや、社内での対応方針の検討、弁護士や警察との相談対応等、顧客対応に相当な時間的コストを強いられることがあります。
SNSへの投稿や、他の顧客の前での暴言・暴力などがある場合には、顧客離れや企業イメージの低下等の損失が想定されます。

カスタマーハラスメントに関する企業の責任

企業及び事業主として適切な対応をしていない場合、被害を受けた従業員から責任を追及される可能性がありますが、企業としてカスタマーハラスメント対策を十分に講じていたことで、安全配慮義務の責任を免れた裁判事例もあります。
企業、組織は、カスタマーハラスメントに対し十分な対応をとることが重要です。

【判例】カスタマーハラスメントに対する不適切な対応により損害賠償責任が認められた事例

私立小学校の教諭が児童の保護者から理不尽な言動を受けたことに対し、校長が教諭の言動を一方的に非難し、また、保護者の勢いに押されその場を穏便に収めるために安易に当該教諭に対し保護者への謝罪を求めたことについて、不法行為と判断され、A市(小学校を設置する市)及びB県(教員の給与を支払う)は損害賠償責任を負うと判断された。