Entertainment Harassment & Governance Institute
芸能界・創造の現場に、人権とガバナンスを。
エンターテインメントは、人の感情、身体、記憶、尊厳に深く関わる仕事です。
俳優、タレント、アーティスト、制作スタッフ、マネジメント、関係企業。
多くの人が関わり、短期間で高い成果を求められる現場では、創造性と同時に、人権リスクも発生しやすくなります。
性的表現、身体接触、長時間労働、上下関係、未成年者の保護、SNS炎上、報道被害、誹謗中傷、ハラスメント、トラウマへの無理解。
これらは、個人の資質だけで解決できる問題ではありません。
背景には、情報共有の不足、同意確認の曖昧さ、権限関係の偏り、相談体制の不備、業界慣行の属人性といった、構造的な課題があります。
エンターテインメント人権・ガバナンス研究所は、エンターテインメント業界における人権課題を、個人攻撃や炎上ではなく、組織ガバナンスの問題として捉え直し、安全で創造的な制作環境の実現を支援します。
私たちの問題意識
エンターテインメント業界では、長く「作品のため」「プロ意識」「体当たり」「現場の空気」といった言葉のもとで、当事者が違和感や苦痛を表明しにくい状況が続いてきました。
しかし、創造性は、人権を犠牲にして成立するものではありません。
むしろ、出演者やスタッフが安心して表現できる環境こそが、作品の質を支える基盤です。
私たちは、次のような課題に取り組みます。
- 性的表現・身体接触を伴う演技における同意確認
- 出演者・スタッフの要配慮事項の整理と共有
- ハラスメント・性加害・二次被害の予防
- トラウマ・インフォームドな現場対応
- 未成年者・若年出演者の保護
- 権力勾配の強い現場における相談体制
- 制作会社・芸能事務所・関係企業の人権ガバナンス
- SNS炎上・報道被害・誹謗中傷への対応
- 問題発生後の再発防止と組織改善
研究所の基本方針
1. 誰かを断罪するのではなく、構造を改善する
人権問題が発生したとき、社会はすぐに「誰が悪いのか」を求めます。
しかし、多くの問題は、個人の言動だけではなく、情報共有、役割分担、意思決定、相談体制、現場文化の不備から生じています。
私たちは、個人攻撃ではなく、再発を防ぐための構造改善を重視します。
2. 作品の質と人権保護は対立しない
人権を守ることは、表現を制限することではありません。
むしろ、同意、安心、安全、信頼があるからこそ、出演者とスタッフは高度な創造性を発揮できます。
私たちは、表現の自由と人権尊重を両立させる制作環境を目指します。
3. センシティブな情報を適切に扱う
トラウマ、健康状態、過去の被害経験、家庭事情など、配慮が必要な情報は、慎重に扱われなければなりません。
重要なのは、すべてを共有することではなく、必要な人に、必要な範囲で、必要なタイミングに共有することです。
4. 被害申告者への二次被害を防ぐ
ハラスメントや性被害を訴えた人に対し、「説明しろ」「証明しろ」「なぜ今言うのか」と責め立てることは、深刻な二次被害につながります。
私たちは、被害申告者の尊厳とプライバシーを守りながら、公正な対応が行われる仕組みづくりを支援します。
提供サービス
人権ガバナンス診断
制作会社、芸能事務所、劇団、映画・映像制作現場、イベント運営会社等を対象に、人権リスクとガバナンス上の課題を診断します。
確認項目例:
- ハラスメント防止体制
- 相談・通報体制
- 出演者・スタッフの要配慮事項管理
- 身体接触・性的表現の同意確認
- 未成年者保護
- SNS・報道対応
- 再発防止体制
- 管理職・現場責任者の教育状況
制作現場向けリスクマネジメント設計
撮影・舞台・イベント等の現場で、人権リスクを低減するための運用ルールを設計します。
主な支援内容:
- 出演者要配慮事項シートの設計
- 身体接触・性的表現に関する事前確認フロー
- 撮影当日の変更管理
- 現場責任者の判断基準
- 中止・相談・エスカレーションルート
- 関係者への共有範囲の整理
研修・教育
エンターテインメント業界向けに、人権・ハラスメント・ガバナンスに関する研修を提供します。
対象:
- 経営者
- プロデューサー
- 監督・演出家
- マネージャー
- 現場責任者
- 出演者
- 制作スタッフ
- 学校・養成機関
テーマ例:
- エンターテインメント業界の人権リスク
- 性的表現・身体接触と同意
- ハラスメントと二次被害
- トラウマ・インフォームドな現場対応
- SNS時代の炎上・誹謗中傷リスク
- 管理職・現場責任者のための人権ガバナンス
事案発生後の再発防止支援
問題が発生した後、単なる謝罪や処分で終わらせず、再発防止につながる組織改善を支援します。
支援内容:
- 発生要因の構造分析
- 情報共有プロセスの見直し
- 役割・責任の明確化
- 相談体制の再設計
- 研修・ルール整備
- 再発防止計画の策定
- 経営層・管理職への助言
調査・研究・発信
エンターテインメント業界における人権課題について、調査・研究・提言を行います。
主なテーマ:
- インティマシー・コーディネーション
- 同意と身体的自己決定権
- ハラスメントと心理社会的リスク
- 芸能人・クリエイターのメンタルヘルス
- メディア報道とプライバシー
- SNS時代の二次被害
- 国際基準と日本の課題
対象となる組織
- 芸能事務所
- 制作会社
- 映画・映像制作会社
- テレビ・配信関連企業
- 劇団・舞台制作団体
- 音楽・イベント関連企業
- 広告・キャスティング関連企業
- 芸術大学・専門学校・養成機関
- 文化・芸術関連団体
- スポンサー企業・協賛企業
目指すもの
私たちが目指すのは、問題が起きた後に誰かを責める社会ではありません。
目指すのは、問題が起きにくい現場を設計すること。
被害を訴えた人が、さらに傷つけられない仕組みをつくること。
出演者もスタッフも、安心して創造に向き合える環境を整えること。
そして、エンターテインメント業界が社会から信頼され続ける産業であるための基盤を築くことです。
人権を守ることは、表現を弱くすることではありません。
人権を守ることは、表現をより強く、深く、持続可能にすることです。
エンターテインメント人権・ガバナンス研究所は、創造の現場に、人権とガバナンスを実装します。
