ハラスメントの加害者が失うもの〜加害者になってしまったら

パワハラやセクハラ、マタハラ等々のハラスメントは、被害者に害をもたらすだけでなく、加害者自身にもブーメランのように返ってきて、多くの大切なものを奪い、人生を大きく狂わせます。

罪悪感

被害者を苦しめたという罪悪感が重くのしかかります。
万が一被害者が自殺してしまった場合には、人を死なせたという十字架を一生背負い続けることになります。

法的責任

民事上または刑事上の法的責任を負うことになります。

民事上の責任

損害賠償を請求され、多額の賠償金を支払うことになるかもしれません。

  • 不法行為責任

刑事上の責任

悪質な場合には「犯罪者」になり得ます。
「ハラスメントというより犯罪だ」という表現がしばしば聞かれますが、そもそもハラスメントには犯罪行為が含まれていて、犯罪にはハラスメントが含まれています。
ハラスメントと犯罪は多くの部分が重なり合っていますので、軽い気持ちでハラスメント行為をすると、犯罪者になってしまうリスクがあるのです。

  • 名誉毀損罪
  • 侮辱罪
  • 脅迫罪
  • 強要罪
  • 暴行罪
  • 傷害罪、等

懲戒処分

就業規則の定めに従い、勤務先から懲戒処分を受けることがあります。
最悪の場合は「懲戒解雇」となり、仕事も退職金も、コツコツ積み上げてきたキャリアや信用も、一瞬にして失うことになります。

  • 譴責
  • 減給
  • 出勤停止
  • 降格
  • 諭旨解雇
  • 懲戒解雇、等

誹謗中傷

近年、ハラスメント問題はニュースや週刊誌などでも大きく報じられるため、名前や勤め先などが公表されるだけでなく、一般のインターネットユーザーが個人情報を特定し拡散します。
身近な人たちから非難を受けるのはもちろんのこと、見ず知らずの世間からも誹謗中傷や、嫌がらせ、身体的攻撃を受けることがあります。
加害者となった本人だけでなく、家族や関係者の個人情報も拡散され、家族が勤め先や学校でいじめを受けることもあります。

  • インターネット上で過去の行為や侮辱的な悪口を書き込まれる
  • いたずら電話
  • 石や卵を投げられる
  • 家の壁や塀に落書きされる
  • 注文していない料理が大量に配達される
  • 襲われる、等

孤立

地位や信用を失うと、潮が引くように人が離れていきます。
家族から縁を切られたり、ちやほやしてくれていた人たちも関わってくれなくなり、孤独に陥ります。
孤独は死に至る病といわれるように、とても辛い状況に置かれることになります。

心身への影響

以上のような苦しい状況に陥り、多くの加害者が心労から体調を崩します。
加害者が自殺するケースもあり、ハラスメントは加害者にとっても、命に関わる問題です。

ハラスメントは百害あって一利なし

ハラスメントの加害者となれば、家族も友人も仕事も財産も名誉も、多くの大切なものを失い得ます。
ほんのいっときの感情や欲求のままに行動すると、そのときだけは感情や欲求が満たされたとしても、後に失うものの大きさを考えると、まったく割に合いません。
ハラスメントは、百害あって一利なし。
常に理性的に、冷静に行動できるよう、心を平常に保ち、自らをコントロールできる状態に維持しておくことが大切です。

記事「睡眠不足がパワハラの元凶!?」

投稿者

株式会社 ケンズプロ
株式会社 ケンズプロ
ケンズプロは、パワハラ・セクハラ・ペイハラ・カスハラ等ハラスメント対策や女性活躍推進、採用ブランディングなどを支援する人事コンサルティング会社です。