パワハラ・セクハラ等ハラスメント加害者更生の進め方

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近年、パワハラやセクハラ、マタハラ等の行為者(以下、「加害者」とします。)への教育プログラムに携わる機会が増えてきました。今号では、社内で教育を進める際のポイントをご紹介します。
なお、わかりやすく「ハラスメント加害者更生」と表現しますが、社員様向けには「行為者教育」等に言い換えられた方が、刺激が少なく、受け入れられやすいことを書き添えておきます。

パワハラ・セクハラ等ハラスメント加害者更生の必要性

関係修復のため

ハラスメント問題が発生し、事実確認を経て、被害者への対応と加害者の処分等が完了しても、その後も被害者と加害者は同じ組織で働き続ける可能性が高いため、関係改善に向けた取組が不可欠です。

再発防止のため

また、会社としては、再発防止策の一環として、加害者への「教育」を行うべきです。被害者の再被害や、新たな被害者の誕生を防止するためです。

加害者への救済措置として

加害者にとっては、自身の行動・認識・意識・思考等を改め、信用と人間関係を回復し、居場所と未来を守るための「支援」となります。

必要性が高まっている背景

必要性が高まっている背景には、「顕在化するハラスメント行為の多様化」があります。
かつては、軽微なハラスメントの被害者は泣き寝入りし、重大な事案のみが表面化していたため、加害者を解雇して終了となるケースが多くありました。
あるいは、労働者保護の意識が現在ほどは高くなかったため、就業規則の定めに関わらず、加害者を解雇=排除して、トラブルに蓋をしてしまっていたケースもあったでしょう。

しかし現在は、「バカと言われた」などの、数年前までは問題にならなかったような軽微な被害の声も漏らすことなく拾われるようになったため、解雇未満の処分も頻発するようになったたことから、「加害者への教育」の必要性が増しました。

以前

パワハラ・セクハラ等ハラスメント加害者更生(行為者教育)個別研修プログラムが必要な理由2

↓↓↓

現在

パワハラ・セクハラ等ハラスメント加害者更生(行為者教育)個別研修プログラムが必要な理由3

ただ、実際には「何もしていない」企業が大多数で、被害者も加害者も不安や不信感が残り、被害者の方が退職してしまったり、加害者がメンタル不調に陥ってしまったりするケースが多いのが実情です。

パワハラを「した」経験

パワハラを「した」ことに対する勤務先の対応

加害者は今、孤独です。「会社はあなたのことを見捨てていない」と示すことは、加害者に更生の動機を与え、有意義です。

加害者更生の進め方

加害者更生(行為者教育)個別研修プログラムの進め方

自社内で実施される場合、基本は「面談」になります。
面談は、対話です。「聴く」と「伝える」の双方向の対話がバランス良く成立すると、加害者は安心感を得、行動や意識が劇的に改善することが多いです。
匙を投げず、加害者を信頼し、期待を持って丹念に向き合うことが大切です。
月1〜2回程度、1回1時間以内の面談を6か月間前後継続します(事案の軽重や反省度等により短縮または延長)。

聴く

当該行為の動機・背景や、処分等への納得度、体調、仕事への影響、今後の意向等ををヒアリングします。
加害者本人の思考や納得度、体調は行ったり来たりするため、一歩進んで二歩下がり、三歩進んで一歩下がりながら、ゆっくり進んでいくことを予定しておきます。

相談に応じる

さらに、このプロセスの中で上がってくるであろう、「指導の仕方がわからない」「どのようにコミュニケーションを取るべきか」「働きづらく、生きづらい」等の声を漏らさず聞き取り、可能な限り助言を提供します。

教え導く

「あなたは加害者だ」と突きつけられて、「そうですか、ごめんなさい」と潔く納得する加害者はほぼいません。「そんなつもりじゃなかった」「相手が悪かった」「みんなもやっている」「そんなことはしていない」と、否定し、被害者や担当者を非難することさえあります。
納得してもらい「認識を刷新してもらう」ための教育の機会が必要です。
どのような行為が不適切なのか、なぜ不適切なのか、被害者や加害者自身にどのような悪影響があるのか…などを、面談により、または個別研修を実施することにより、教え諭します。

パワハラをしたことへの勤務先の対応に対する納得度

ケアの継続

最終面談を経て「再発の恐れは低い」と判断され、プログラムが終了した後も、陰ながら気にかけておくことが大切です。人はすぐには変わりませんし、心の傷もすぐには癒えません。被害者はもちろん、加害者も同じです。

まとめ

10年前までは奨励されていたような言動が、現代では「悪」とされ、そんな時代の激変についていき切れない人が大勢いるのは「やむを得ない」とも言えます。今は過渡期です。かつては「軽微」とされていた問題行動の全てを「重罪」とし厳罰に処し、加害者から未来を奪い潰してしまうのは極端であり、むしろ多様性を阻害し、戦々恐々とした世の中にしてしまうでしょう。行動や意識を改め、再び信用を取り戻し高みを目指すチャンスを与えるべきです。

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