映画『ドリーム』(原題:”Hidden Figures”)

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NASAの研究所で最初期のアフリカ系アメリカ人女性として歴史的な役割を果たした、実在の科学者たちの奮闘を描いた映画。

黒人への差別が常態化していた職場では、トイレも、コーヒーポットも、白人と非白人とで区分されていました。
黒人のキャサリン・ジョンソンは、毎日、雨の日も風の日も、デスクから800m離れた別棟にあるトイレまで走らなければなりません。
事情を知らない上司から、なぜ毎日長時間離席しているのかと追及され、ここに私が使えるトイレが無いからだと答えます。

不合理な差別は、個々人の、天才とも言えるような能力をも抑圧し、効率を下げます。
ヒロインが800m離れたトイレを往復する時間分、無駄が生じています。
一番近くにあるトイレを利用できれば、この無駄は生じません。
無駄な無駄を生産している間に、競合に差を付けられます。
不合理な差別は不合理でしかなく、利益を生まないどころか、莫大な損失を生み出します。
事業によっては、億円規模の損失です。

差別は、被害者だけでなく、企業経営の根幹にダメージをもたらす害悪です。

人種や性別、年齢、障害の有無、学歴等に関わらず、一人ひとりの能力が最大限に発揮されるような労働環境を構築することは、猛スピードで変化する社会の中で持続可能な経営を実現するために欠かせない戦略です。