パワハラとは?6つの行為類型とポイント

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パワハラとは?

パワーハラスメント(以下、「パワハラ」という。)とは、職場において行われる

  1. 優越的な関係を背景とした言動であって
  2. 業務上必要かつ相当な範囲を超えたものにより
  3. 労働者の就業環境が害されるものであり

1から3までの3つの要素を全て満たすもので、例えば以下のような言動がパワハラに該当し得ます。

6つの行為類型

パワハラは、6つの行為類型に分類されています。
これらの分類は、パワハラのすべてを網羅するものではありませんが、分類することで、どのような行為がパワハラに該当するのかがわかりやすくなります。

身体的な攻撃

パワハラの行為類型ー身体的な攻撃
身体的な攻撃、「暴力」です。
暴力は、犯罪です。
例え相手がどれほど腹立たしい態度をしていたり、思うように動いてくれなかったり、煽られたりして、10対0で相手が悪いといえる状況だったとしても、暴力を奮えば、少なくとも5対5以上の割合で、暴力を奮った方の責任になり、「犯罪者」になってしまいます。

殴る蹴る、以外にも様々な暴力があります。
身体に直接触れるのはもちろん、たとえ身体への接触がなくても、胸ぐらを掴む、唾をかける、髪の毛を引っ張る、服を強く引っ張る、つねる、足払いをする、殴りかかって寸止めする…といった、被害者の身体に影響を及ぼす可能性がある行為は、暴力に該当し得ます。

精神的な攻撃

モラルハラスメント<パワーハラスメント精神的な攻撃
脅迫・名誉毀損・侮辱・ひどい暴言など、精神的に追い詰める言動が、精神的な攻撃です。

  • 「辞めろ」「クビ」等の発言
  • 人格、容姿、学歴、家庭環境、能力、性的指向、性自認等に関する否定的・侮辱的な言動
  • 大声で怒鳴る
  • 必要以上に長時間、厳しく、繰り返し叱責
  • 些細なミスなのに大勢の人の前で大声で叱責
  • 罵倒・侮辱・否定する内容の電子メール等を複数人に送信
  • 同僚の前で、無能扱いする発言をする、等

特に、「人前で」と「長時間」と「大声で」は、精神的ダメージが大きく、自殺リスクが高くなります。
精神的な攻撃は、「教育的指導」との境界線がわかりにくいのが特徴ですが、教育的指導をすべき場面では、指導を受けた側が受け入れやすいタイミングと環境と言葉と状況を選ぶことが重要です。
恥をかかせるような場所や、人格を否定するような発言は、人を死に追いやるような危険な行為です。

人間関係からの切り離し

パワハラの行為類型ー人間関係からの切り離し
仲間外しにする、隔離する、無視するといった嫌がらせです。
孤立するのは辛いものです。
社内の誰も孤立させないこと、社内で孤立している人がいたら、気にかけ、声をかけることが重要です。

  • 自身の意に沿わない社員に対して、仕事を外し、長期間にわたり、別室に隔離したり、自宅研修させたりする
  • 理由もなく他の社員との接触や協力依頼を禁じる
  • 挨拶をされても無視する
  • 一人の社員に対して同僚が集団で無視をし、職場で孤立させる
  • 一人の社員にだけ仕事・情報・休暇等を与えない、会議に出席させない
  • 根拠のない悪い噂を流し、会話しない、等

新人教育や、処罰的意味などの必要性があって個別研修や自宅待機などを命じる場合は、その「必要性」を丁寧に説明するようにします。

過大な要求

パワハラの行為類型 過大な要求
業務上明らかに不要なことや遂行不可能なことの強制、といった行為です。
特定の人に業務を集中させ(押し付け)、周囲は見て見ぬ振りをして助けない、その結果、自殺。というパワハラと過労死どちらにも該当する事件が実際に発生しています。
大量の仕事を抱えている仲間がいたら、周囲は手伝うこと、そのような業務管理をしている管理職には指導が必要です。

  • 長期間にわたる、肉体的苦痛を伴う過酷な環境下での勤務に直接関係のない作業を命ずる
  • 新卒採用者に対し、必要な教育を行わないまま到底対応できないレベルの業績目標を課し、達成できなかったことに対し厳しく叱責
  • 社員に業務とは関係のない私的な雑用の処理を強制的に行わせる
  • 終業間際なのに膨大な仕事を毎回押し付ける
  • 一人ではできない量の仕事を押し付ける
  • 達成不可能な営業ノルマを常に与える

育成のために現状よりも少し高いレベルの業務を任せるとか、業務の繁忙期に通常時よりも一定程度多い業務の処理を任せるといった、業務上の必要性がある場合には、それを説明し納得させることが重要です。

過小な要求

パワハラの行為類型ー過小な要求
業務上の合理性なく、能力や経験とかけ離れた程度の低い仕事を命じる、または仕事を与えない、といった行為です。
一時期、大企業に「追い出し部屋」があることが話題になりました。
プライドを傷つけ、退職に追い込む人権侵害であり、プライドは人が生きる拠り所となるものですので、自殺リスクの高い行為です。

  • 管理職である社員を退職させるため、誰でも遂行可能な業務を行わせる
  • 気にいらない社員に対して嫌がらせのために仕事を与えない
  • 雑務ばかりをさせる
  • 営業職なのに、倉庫の掃除を必要以上に強要する
  • 事務職で採用したのに、仕事は草むしりだけ
  • 他の部署に異動させ、仕事を何も与えない、等

社員の能力や健康状態に応じて、一定程度業務内容や業務量を軽減するという場合には、それを相手に説明するべきです。

個の侵害

パワハラの行為類型ー個の侵害
私的なことに過度に立ち入るような行為です。
特に、性や病気・病歴、宗教、政治思想等に関することは、軽々しく話題するものでなく、目的なく個人情報を取得したりむやみに話題にしたりしないようにすべきです。
個人情報を取得する際は、目的を明確にし当事者に伝えること、そして取得した情報は決して目的外のことに利用せず、取扱いは厳重にすることが求められます。
個人情報取扱規程を定めておくことも大切です。

  • 職場外でも継続的に監視したり、私物の写真撮影をしたりする
  • 性的指向・性自認や病歴、不妊治療等の機微な個人情報について質問したり、当該社員の了解を得ずに他の社員に暴露したりする
  • 一挙手一投足を監視しやることなすことに文句を言う
  • 休暇・休日に連絡する
  • 過度な長電話で拘束する
  • 残業・休日出勤を強いる
  • 個人所有のスマホを勝手に覗き見る
  • 不在時に、机の上を勝手に物色する
  • 休みの理由を根掘り葉掘りしつこく聞く、等

まとめ

ハラスメントとは、他者に不快感や不利益、脅威を与えたり、尊厳を傷つけたりする言動のことです。
職場において行われるハラスメントには様々な種類があり、近年は言葉遊びのように「ハラ」のつく単語が日々何十種類と生まれていますが、種類や名称は重要ではなく、「人が嫌がったり怖がったり傷ついたりする行為」がハラスメントであり、それが「パワー」という「優越性」を利用して行われれば「パワーハラスメント(パワハラ)」になりますので、職場において行われるハラスメントのほとんどは、名称に関わらず、パワハラに含まれます。

大事なのは、ハラスメントの種類やパワハラの禁止行為リストを覚えることではなく、

  • 人が嫌がったり怖がったり傷ついたりする行為をしないこと
  • 自分や、自分の大切な人がされたら嫌なことは、自分も誰に対してもしないこと

これに尽きます。

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