テレワークに関する社内ルール・勤務規程づくり

テレワークに関する社内ルールとは

テレワークに従事するテレワーカーについて、就業条件等をどのようにするか、定めます。
就業形態により、「在宅勤務規程」や「モバイル勤務規程」などのように、別個の規程を作成することが望ましい場合もあります。

  • 労働時間
  • 勤務・労働時間管理
  • 通勤手当支給基準
  • 業績評価 等

以上のような項目について、通常勤務時と同様の制度にするのか、異なる制度を定めるのか、どのように管理するのか等々、検証し定めます。

社内ルール作りの手順

  1. 導入するテレワークの形態(外勤型・内勤型・通勤困難型など)は何ですか
  2. 既存の就業規則で対応可能ですか
  3. 改正が必要な場合は、テレワーク勤務規程等を作成、または就業規則の変更案を作ります
  4. 全社員へ説明し、要望を集約します
  5. 導入に向けて問題点を改善します
  6. 規程作成または就業規則変更を伴った場合は、所定の手続を取ります
  7. テレワーク対象者へ労働条件を明示します
  8. テレワークを実施します

テレワーク勤務にかかる規則項目

労働時間

テレワークであっても、すべての労働時間制度を採用することができますが、テレワーク就業形態の実態によっては適用できない、または適用要件や対象業務に制限がありますので注意が必要です。

  • 客観的に把握できる方法により労働時間を管理しなければなりません。テレワーク時には電話連絡やメール送信によるケースが多いようです。
  • 事業場外みなし労働時間制や専門業務型裁量労働制によるみなし労働時間制による場合でも日報等により勤務状況を把握することが必要です。

(1)通常の労働時間制

(2)みなし労働時間制

  • 事業場外のみなし労働時間制
  • 専門業務型裁量労働制
  • 企画業務型裁量労働制

(3)変形労働時間制

  • 1か月単位の変形労働時間制
  • 1年単位の変形労働時間制
  • フレックスタイム制
  • 1週単位の非定型的変形労働時間制

給与・諸手当

テレワークでも業務内容や職種、勤務時間に変更がなければ給与(基本給)の見直しは必要ありませんが、育児を目的とした在宅勤務等所定労働時間を変更するケースがあります。
テレワーク勤務により所定労働時間が長くなるにもかかわらず賃金が以前のままでは、労働条件の不利益変更となりますので、注意が必要です。
通勤手当は、テレワークの実施頻度に応じて考えます。

人事評価制度

見えない場所で働くテレワーカーの人事評価には「仕事や業績評価」の目標管理制度に基づく成果主義が適用されることが望ましいです。
しかし、評価するマネージャーの評価スキル不足や、部下が目の前にいない状態で評価せざるを得ないという状況などがあり、テレワーカーを適正に評価することが難しいため、こうした状況でも適正な評価ができるような仕組みとマネージャーのスキルを向上させておくことが必要です。
テレワークを始める際やテレワークを初めて一定期間ごとに、マネージャーとテレワーカーとの間で、テレワークで行う業務の内容とその成果について共通の理解を持ち、マネージャーに対する報告の仕方などを決めておくことが大切です。

安全衛生と健康管理

事業者は、単にこの法律で定める労働災害の防止のための最低基準を守るだけでなく、快適な職場環境の実現と労働条件の改善を通じて職場における労働者の安全と健康を確保するようにしなければならない。(労働安全衛生法第3条)

作業環境に配慮し、作業環境に関するルールを作り、法律とルールに従った作業環境を整えなければなりません。
作業環境で考えなければならないものは、机、椅子、照明設備、空調設備等です。

また、「VDT作業における労働安全衛生管理のためのガイドライン(平14.4.5基発第0405001号)」に留意する必要があります。
テレワーカーは長時間労働になりがちですので、健康管理上の配慮をルール化することが大切です。
労働安全衛生法では、常時使用する労働者に対して雇入時及び定期に健康診断を行うこと、健康診断結果に基づく事後措置を講じることが義務づけられています。
健康上の相談窓口や保健師等による健康相談などを実施すると良いでしょう。

労働災害

テレワーカーが労働者である以上、通常の従業員と同様に牢再訪の適用を受けます。
業務上災害と認定されるためには「業務遂行性」と「業務起因性」の2つの要件を満たさなければなりません。
また通勤災害と認定されるためには「通勤遂行性」と「通勤起因性」の2つの要件を満たさなければなりません。
負傷や疾病が発生した具体的状況によって個別に適否が判断されますが、災害防止の指導マニュアル等を作成しテレワーカーに業務上災害と通勤災害の認定要件について十分に理解させ意識の高揚を図ることが大切です。

費用負担

モバイル勤務や在宅勤務において、通信機器等の費用を企業が負担するのか、従業員が負担するのか等、費用負担区分については、導入当初から明確なルールを作成しておくことが必要です。

  • 機器の費用・・・会社が貸与しているケースが多い
  • 通信回線費用・・・貸与した機器の無線LANの通信費用は会社負担が多い。自宅の回線については個人負担または一定額を会社負担としているケースがある
  • 文具、備品、宅配便等の日宇用・・・事前配布及び後日精算で会社が負担していることが多い
  • 水道光熱費・・・テレワーク勤務手当に含めて支払う企業もある

社員教育・研修

常用型テレワーカーはOJTの機会が少なくなるため、公平な教育・研修の機会が確保されるよう特に配慮しなければなりません。
テレワーカーの上司に対してもテレワーカーの管理、人事評価方法、コミュニケーション、不満や苦情処理等についての教育が必要です。
また、テレワーカー以外の従業員に対しても、意義と必要性を理解してもらうための研修等が必要です。

新型コロナウイルスの流行により集合研修がしづらくなっていますので、ビデオやウェブによる研修をテレワーカーにもテレワーカー以外の従業員にも受講してもらう機会を増やしましょう。

連絡体制作り

コミュニケーション不足の解消方法、労務管理上必要な連絡や緊急時の連絡方法についてあらかじめ決めておきましょう。

  • 業務の開始・終了の報告
  • 部署内の回覧書類
  • 連絡体制
  • 定例会議の開催
  • 技術的なトラブルの対応

テレワーク勤務対象者の選定

在宅勤務者には、「勤務する時間帯や自らの健康に十分に注意を払いつつ、自立的に業務を遂行することが求められる。」とされています。
新入社員や自己管理能力の低い従業員、会社への不満の多い従業員、問題を起こしがちな従業員は対象にしないよう配慮しましょう。

資料集

【厚生労働省】ガイドラインパンフレット(簡易版)
https://www.mhlw.go.jp/content/000545706.pdf

【厚生労働省】テレワークにおける適切な労務管理のためのガイドライン
https://www.mhlw.go.jp/content/000553510.pdf