大切な人材の介護離職を防ぐ!ワークサポートケアマネジャーとは

ワークライフバランスが浸透し、働き方の多様化が進んだことで、仕事と育児の両立については、制度も環境も意識も定着してきました。
ところが、介護を巡っては、仕事と両立することのハードルは、依然として高いままです。
そのような中、政府は、この高いハードルを乗り越える様々な施策を打ち出しています。
その一つが、介護相談の専門職であるケアマネジャーが企業の両立支援を行う「ワークサポートアマネジャー」という制度です。

北海道でワークサポートケアマネジャーとしてご活躍されている秋場様(株式会社ネクスド ご近助テラス札幌 管理者)のご協力をいただき、ワークサポートケアマネジャーについてご紹介します。

※株式会社ネクスド ご近助テラス札幌 管理者 秋場様にご執筆いただいた文章を、一部ケンズプロが編集しています。

ワークサポートケアマネジャーの概要

少子高齢化が進み労働人口が減少する昨今、介護を理由に仕事を辞めざるを得ない、いわゆる「介護離職」が社会問題となっています。
社員としては親の介護はプライベートの問題で職場には相談がしづらく、企業としても介護離職対策の必要性を感じていても、具体的に何をすればよいか分からない人事担当の方も多いでしょう。

ワークサポートケアマネジャーとは、家族等の介護を抱えている社員等が、仕事と介護を両立できる社会を目指し、社員等が介護をしながら意欲的に働けるようサポートする、ケアマネジャーの資格を有する専門職で、介護の相談の経験を活かし、企業で働く職員の介護問題について、直接家族などの介護相談に応じたり、企業における職員の介護支援体制づくりに協力するなどの活動をしています。

日本介護支援専門員協会の認定資格で、現在全国で199名のワークサポートケアマネジャーが、ワークサポートケアマネジャーとして活動しています(令和6年3月時点)。 (一般社団法人日本介護支援専門員協会ホームページより)

ケアマネジャーの立場で考える「仕事と介護の両立」に関する課題

10年ほど前から、国の施策として、介護離職対策、仕事と介護の両立が行われてきました。
昨今の各業界における少子化による人材不足、年間10万にも及ぶ介護を理由とした退職、また、職員が家族の介護を担うことによる介護負担、ストレスなどによる職員の効率、生産性低下が課題としてあげられています。
これまで経産省を中心に、対策が行われ、コーディネーターの育成など企業内で担当者育成、窓口設置を進めてきましたが、個別の介護に係る相談援助を進めてゆくには介護と相談に精通した人員をゼロから育成するには相当な時間と労力を要すると考えられます。
ただでさえ、人材が不足している状況で、企業としての取り組むには時間とコストが膨大に要する状況となっています。
そこで、介護相談の経験、情報、知識を有するケアマネジャーが職員の介護相談を行うことで、適切な相談援助、サービス調整の支援を行うことが可能となります。
その結果、介護しながらでも働き続けることができるようになり、さらに、介護の負担、ストレスが軽減されることで、日々の業務に専念できるようになります。
また、ただでさえ、親の介護問題、プライベートな事は会社には相談しづらい。という事情もあり、外部に専門相談窓口があることで、プライバシー問題、介護問題と勤務の評定とは分けて対応してゆくことが可能となり、相談のハードルを下げ、問題が大きくなる前の予防的対応ができることになります。

職場では働きながら行う介護が表面化しづらい

  • プライベートなので、職場の話題にしづらい(育児、出産はめでたい)
  • 将来の見通しが立たない(育児は成長が予測つく)
  • 核家族化し、実態が分かりづらい
  • 介護サービスの情報、理解が低い
  • 個別性が高く状況がバラバラ
  • 本人の相談先はあっても、家族の相談先がない
  • 仕事に影響があると、社員の評価に悪影響
  • 後手に回ってしまい、状況が悪化
  • 兄弟、親族も少なく相談、支えが少ない
  • 夫婦共働きで、配偶者の支援協力も難しい
  • 本人がサービスを利用したがらない
  • 上司は介護の危機を乗り越えた
  • 下手すると、育児と介護のダブルケア

課題に対するワークサポートケアマネの関わり方

ケアマネジメントは、インテーク、アセスメント、課題分析、プランニング、モニタリングという一連の流れに基づいています。
個別の相談支援においても、このスキルを生かした支援が可能です。
特に個別の状況に応じた支援体制づくりや、他職種との連携については、個別の課題に対応した支援チーム構築や、多職種との連携を日常的に行っており、これらの各専門職のスキルを活かし、個別の問題に応じた、支援体制を組むことが可能となります。
また、介護相談の専門窓口があることにより、総務や人事の職員の負担軽減、情報、スキルの補完が可能となり、より、企業担当者の職務専念、パフォーマンス向上に期待が持てます。
個別の相談対応から個別の事例、情報の積み上げを企業とも共有し、企業の職員の課題傾向、対策について提案し、衛生委員会や産業医、顧問社労士と連携を図り、介護をしながらでも働きやすい職場体制や、企業風土の醸成に取り組むことが可能となります。

ワークサポートケアマネジャーの具体的役割

ワークサポートケアマネジャーは、企業からご依頼を受け、社員の介護離職を防ぐために両立支援を行うものです。
導入をご検討中の企業様、少し話をお聞きになってみたい企業様は、この度ご寄稿くださいましたご近助テラス札幌の管理者・秋場様、又は一般社団法人日本介護支援専門員協会様(https://www.jcma.or.jp/?p=576067)にお問い合わせください。

お問い合わせ先

株式会社ネクスド ご近助テラス札幌様

「仕事と介護の両立セミナー&介護相談会」開催、企業訪問による説明(札幌市外は要交通費実費)、事情によっては他、ワークサポートケアマネジャーのご紹介などを行います。
職員の介護相談・仕事と介護の両立支援

理念

「私たちは、地域に根ざす“身近な援助者”を目指します」

  • 暮らしの継続と希望の実現に向けて一人ひとりの様々な想いに寄り添い支援します
  • 私たちは、在宅医療をもっと身近に病気や障がいと共に生きる方々の暮らしを支えます
  • 私たちは、“身近な助け合い”を合言葉に、地域の専門職が集まり、保険制度のサービスや、その枠にとらわれずに社会に貢献できることを、サービスという形で提供していきます

ポッドキャストさかそ!100年ライフインタビュー ポッドキャストさかそ!100年ライフインタビュー

ご連絡先

ご近助テラス代表 秋場様株式会社ネクスド ご近助テラス札幌 管理者 秋場隆章様
Phone 070−1254−9751
Email ta.akiba@nexd.jp
Instagram https://www.instagram.com/gokinjo_group/
公式LINE @504euodb

一般社団法人日本介護支援専門員協会様

▼一般社団法人日本介護支援専門員協会様による紹介リーフレット
ワークサポートケアマネジャーとは
ワークサポートケアマネジャーとは
https://www.jcma.or.jp/wp-content/uploads/worksupportleaf.pdf

介護離職者は依然として多く、このままでは、従業員が仕事と介護の両立が困難となることに起因する企業の損失額は、大企業では一社あたり年間6億円以上、中小企業でも年間770万円程度に上ると試算されています。日本全体では7兆円にも上るそうです。介護離職により、労働損失、育成費用損失、代替人員採用に係るコスト等がかかるためです。(経済産業省による試算)
莫大な経済損失を生み出す介護離職を食い止めるために、各企業の具体的なアクションが急務です。
介護には専門知識や経験を要する場面が多く、企業の担当者様のみで両立支援を行うのには限界があります。様々な業種との連携が大切です。介護分野の専門家であるケアマネジャーや、人事制度・環境づくりの専門家である社会保険労務士などと協力して、介護に直面しても働き続けられる制度・環境・意識づくりに取り組みましょう。
株式会社ケンズプロ

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株式会社 ケンズプロ
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