リアル接点で次につなげる
ウェブサイトやSNS、印刷物では、細かなニュアンスを伝えきれません。
経営者や担当者が直接語ることで、接点の深度が増します。
リアル接点への誘導と、そこでのコミュニケーション、そこから次への誘導、の三点を意識して設計します。
リアル接点の性格
メリット
- 細かなニュアンスを口頭で直接伝えられる
- リアルタイムで双方向の対話ができ、求職者の疑問や不安を迅速に払拭できる
- 会社見学や就業体験などで、在籍中の社員たちも巻き込まれるため、採用や育成、会社に求められる人材像等に対する社員たちの意識が高まる
デメリット
- 遠隔地や、開催日時以外の対応ができない、つまり小回りが効かない
- 事前準備や担当者数、合同説明会の場合は費用など、多くの資源が必要
- 求職者と接する担当者の資質次第では、逆効果となる
リアル接点の種類と活用例
合同説明会
主に新卒採用向け。自社を知らない学生にもPRし、接点を持つ絶好のチャンス。
映像や冊子、仕事体験等、他のツールを総動員して、差別化を図ります。
自社説明会
中途採用向けには、自社説明会を定期開催するのが効果的です。
来るのは、すでに自社を知り、関心を寄せてくれている貴重で大切な求職者です。
求めている情報を十分かつ丁寧に伝えること、担当者や環境において「ガッカリさせないこと」が大切です。
自社説明会の定期開催例
- 毎週土または日曜日を開催日として、参加者を募ります。中途採用の場合は、現在他社に在籍中の場合が多いため、土日または夜間に設定すると参加しやすくなります。
- 会社見学も希望される方用に、平日昼間にも設定できればしてください。
- 第1週は平日昼間、第2週は土曜日、第3週は平日夜間、第4週は日曜日、とシフトさせるのも良いでしょう。
- 応募者が1名でもいれば、会議室等で実施します。一名のみの場合は、応接室で対応するのでも良いでしょう。
自社説明会実施のポイント
- 採用案内などの印刷物やノベルティなどを必ず配布しましょう。
- Webでも同時配信するか、別日程でWeb説明会を実施しましょう。
- リアル説明会を録画した動画を、ホームページにアップしておくのも効果的です。
- エントリーにつなげましょう。
個別相談
希望者に対し、対面またはリモートで、会社説明&質疑応答を行います。
(会社説明会よりも)質疑応答に重点を置くことができます。
そもそも個別相談希望者はもともと関心が高いことに加え、細やかで深い対応ができるため、エントリーにつながりやすいです。
求職者に合わせて日時を決められるため、仕事をしている求職者にとって利用しやすいです。
求職者のニーズ、不安、疑問を把握できます(マーケティング)。
会社見学
社屋内や現場を、「来て、見て、聞いて、触って、感じて」もらう見学機会は、深度を更に増し、入社後のミスマッチを防ぎます。
見学は、会社側で日時を定めて実施しても、随時受付としても良いでしょう。
いずれにしても、担当者を決め、担当者は案内スキルを高めること、担当者以外の全社員が接遇マナーを高めること、誰が来ても来なくても、常に整理整頓清掃を徹底し、清潔感のある環境を整えておくことが重要です。
また、企業秘密や個人情報の管理を厳重にしましょう。立ち入り区域を制限しましょう。
就業体験
長期のインターンシップ制度を導入していない中小企業でも、2時間〜半日/一日の仕事体験なら取り入れやすいでしょう。
体験機会を提供することで、仕事を知ってもらい、興味を持ってもらい、入社後ミスマッチを防ぐことは、大変有意義です。
定期開催、または随時受付でも良いでしょう。
<注意点>
- 採用・入社を前提とした体験ではないことを予め明示する
- あくまで、求職者がエントリーするか否かを判断し、会社が採用見込みの有無を判断するための材料の一つである、という位置づけを理解してもらう
- 会社が見込んだ方にはエントリーの要請(スカウト)があるが、強制はしない旨、予め明示する
- 賃金の支払い、保険加入などの有無、体験業務内容、スケジュール等をわかりやすく示す
- 指揮命令、成果物、労働による実益がある場合は、賃金が発生する
半日体験
- 2時間/午前のみ/午後のみのいずれかのパターン
- 先輩について実務を体験するか、ワークショップを準備する
一日体験
- 先輩について実務を体験してもらう
- ランチをごちそうしながら交流を深めることも
目的・出口を設定する
イベント参加後どのような行動をとって欲しいのか、イベントの目標を明確にし、誘導線を引きます。
- 選考(一次選考)へのエントリー
- 採用面接への申込
- 個別説明への申込
- 自社説明会への申込
求職者は、
- お問い合わせルールが「よくわからない」と、すぐに諦める
- 問合せ手段が自分のライフスタイルと合っていなければ諦める
- 問い合わせた際に印象が悪ければ離脱→口コミによる評判が落ちる
ゆえに、
- 電話、Eメール、メールフォーム等、多様な問合せ手段を揃えておく
- オンライン会議システムによるお問い合わせも可とする(予約制) (例:「Zoom相談も可能です!お電話またはメール等でご予約ください」)
- 受付時間を明記する(メール等については「24時間受付」とする)
- メールやオンライン相談予約に対する返信までの目安時間を明記する
- 問い合わせへの誘導媒体には、担当者の氏名(ひらなが表記も)と顔写真と一言メッセージを掲載する
- 丁寧に、スピーディーに対応する
- 会社訪問・見学・就業体験などにつなげる
- 担当者以外の全社員が接遇マナーを身につける