内部通報制度は本当に機能しているか―15のチェックリストで見える、制度の“実装度”

内部通報制度は、「規程があるか」「窓口を設けたか」ではなく、実際に“使われる構造”になっているかがすべてです。

以下は、制度が形式ではなく機能している組織に共通する項目です。

貴社の状況と照らし合わせながら、ご確認ください。

内部通報制度・実装度チェックリスト

  1. 内部通報の窓口が複数用意されており、相談者が選択できる
  2. 内部通報の担当者が誰か、社員に明確に周知されている
  3. 担当者の氏名・役割・立場が、組織内で理解されている
  4. 通報・相談の連絡方法(メール・フォーム・電話等)が具体的に示されている
  5. 「どのような内容が通報・相談対象になるか」が例示されている
  6. 匿名相談・匿名通報についての取扱い方針が明確である
  7. 通報したことによる不利益取扱いを禁止する姿勢が、言葉だけでなく行動で示されている
  8. 担当者は、人事・評価・懲戒の決定権から一定の距離を保っている
  9. 担当者は、社内で一定の信頼・人望を得ている人物である
  10. 通報・相談を受けた後の基本的な流れ(初動対応・調査・報告)が共有されている
  11. 「すぐに結論を出さない」「事実確認を重視する」という姿勢が制度設計に反映されている
  12. 通報者・被申立者の双方の人権や心情に配慮する方針が明文化されている
  13. 経営層が、内部通報制度を“問題探し”ではなく“組織を守る仕組み”として認識している
  14. 小規模組織であっても、兼務による限界やリスクを自覚した設計になっている
  15. 「制度は作って終わりではない」という前提で、定期的な見直しや改善が想定されている

チェックを終えた方へ

いかがでしたか。
すべてに自信をもってチェックが入った組織は、決して多くありません。

そして重要なのは、チェックが入らなかった項目が「ダメ」なのではないという点です。

多くの場合、

  • 人が少ない
  • 役割を分けられない
  • 善意で回してきた

といった、中小・中堅企業ほど陥りやすい構造的制約が背景にあります。

内部通報制度は、善意や覚悟ではなく、構造で支えなければ機能しません。

要点

内部通報が機能しない原因は、「担当者が悪い」「社員が通報しない」ことではありません。

ほとんどの場合、“機能しにくい設計のまま運用されている”だけです。

制度は、

  • 誰が
  • どの立場で
  • どこまで関わり
  • どのように守られるのか

この判断軸が曖昧なままでは、使われません。

このチェックリストは、貴社を責めるためのものではなく、判断の材料です。

投稿者

株式会社 ケンズプロ
株式会社 ケンズプロ
ハラスメントを排し、個の真価を最大化する。ケンズプロは、日本の技術が世界を席巻する『正道』を論理で描く、組織ガバナンスの専門パートナーです。