セクハラを「構造」で捉える
セクハラ(セクシュアルハラスメント)とは、一般に「性的な言動により、相手に不快感や不利益を与える行為」と説明されます。
しかし、実際の現場で問題となるセクハラの多くは、単発の露骨な言動ではありません。
- なぜ、最初は問題にならなかったのか
- なぜ、途中までは感謝や信頼があったのか
- なぜ、ある時点で一気に「被害」として噴出するのか
これらを理解しない限り、セクハラは何度でも再発します。
当社は、セクハラを「構造」で定義します。
当社の定義
セクハラとは何か(構造定義)
セクハラとは、性的な言動そのものだけではなく、「断りにくい関係性」「境界線が曖昧な構造」の中で、相手の尊厳と選択の自由が徐々に侵食されていく状態です。
多くのセクハラ事案には、次のような共通構造があります。
- 上下関係・評価権限・専門性の非対称性
- 「良好な関係」を壊したくないという心理
- 善意・冗談・配慮という名目
- 小さな許容の積み重ね
その結果、
「最初は嫌ではなかった」
「言い出せなかった」
「途中から断れなくなった」
という状態が生まれ、境界線が見えないまま、侵害が深刻化します。
セクハラは「善意」から始まることが多い
現場で実際に多いのは、次のような流れです。
- 仕事の相談に親身に乗る
- プライベートの話題が増える
- 特定の相手だけを気にかける
- 贈り物・食事・個別連絡が増える
- 断りにくい空気ができる
この時点では、加害者本人に「セクハラをしている自覚」はほとんどありません。
しかし構造として見ると、
- 立場の差
- 心理的負債
- 境界線の不明確さ
が重なり、拒否できない関係性が形成されています。
これが、セクハラが「後からまとめて問題化する」理由です。
なぜセクハラ対策は難しいのか
多くの組織で、セクハラ対策が形骸化する理由は明確です。
- NG行為リストはある
- 研修も実施している
- 相談窓口も設けている
それでも、
- グレーな事案で判断が止まる
- 「悪気はなかった」で終わる
- 結局、被害が表面化してから動く
これは、セクハラを「行為の問題」としてしか捉えていないためです。
セクハラ対策の本質は「構造対策」にある
当社が考えるセクハラ対策の本質は、次の問いに答えられる状態をつくることです。
- どこからが「関係性として不適切」なのか
- 境界線を越えたかどうかを、どう判断するのか
- 判断を誰が、どの段階で引き取るのか
- 「善意」や「慣習」にどう歯止めをかけるのか
つまり、判断の仕組みを先に作ることが対策です。
当社が重視するセクハラ対策(構造設計)
当社のセクハラ対策は、
次の3つの視点で設計されます。
1. 関係性の非対称性を可視化する
- 立場・評価・専門性の差を前提に整理
- 「対等でない関係」で起きるリスクを明確化
2. 境界線を言語化する
- 行為ではなく「関係性の進み方」に着目
- 許容が積み重なるプロセスを整理
3. 判断を個人に背負わせない
- 現場・管理職・人事・経営の役割を分ける
- 「迷ったらここで止める」構造を設計
セクハラ対策は、被害防止であると同時に組織防衛である
セクハラは、
- 被害者の尊厳を傷つけ
- 組織への信頼を失わせ
- ステークホルダー評価にも影響します
特に近年は、
- 事後対応よりも
- 再発しない構造があるか
が、厳しく問われます。
セクハラ対策とは、組織が「どう判断する会社か」を示す統治の問題です。
当社の支援について
当社は、
- セクハラ事案への相談対応
- 行為者本人への個別対応
- 再発防止を目的とした統治設計
といった実務の現場に関わり続けています。
その経験をもとに、
- 研修
- 判断基準設計
- 再発防止・統治実装
を一体として支援しています。
まとめ
セクハラとは、不適切な言動の問題ではなく、断れない関係性が放置される「構造の問題」です。
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