経営者と話していると、あるタイミングで、決まって出てくる言葉があります。
この言葉が出るとき、多くの場合、会社はすでに一定の規模に成長しています。
社員も増え、売上も立ち、外部からの目も厳しくなっている。
しかし同時に、経営者自身がうっすらと気づいています。
- この判断で本当に良かったのか
- 次に同じことが起きたら、また迷うのではないか
- 社内外に、胸を張って説明できる状態だろうか
「ちゃんとした会社にしたい」という言葉は、制度の話ではありません。
経営者自身の判断への違和感から生まれる言葉です。
「ちゃんとしている会社」とは、どんな会社か
多くの経営者は、「ちゃんとした会社」をこう捉えがちです。
- 就業規則が整っている
- 評価制度がある
- 研修を定期的にやっている
これらは確かに重要です。
しかし、それだけでは十分ではありません。
本当に「ちゃんとしている会社」とは、
です。
トラブルが起きない会社ではありません。
むしろ、一定の規模になれば、ハラスメント、評価への不満、不正の芽など、何らかの問題は必ず起きます。
違いが出るのは、その後です。
- 感情で動くか
- その場しのぎで終わらせるか
- 判断に一貫性があるか
ここで、会社としての「格」が露呈します。
「ちゃんとしていない会社」に共通する状態
経営者の相談を重ねる中で、次のような状態が重なっている会社は、判断が迷走しやすくなります。
- ルールはあるが、実際には使われていない
- 評価や指導が、人によって違う
- 問題が起きるたびに、対応が変わる
- 最終的には社長が一人で抱え込む
この状態が続くと、
- 社長は疲弊し
- 管理職は萎縮し
- 現場は「空気を読む」ようになる
結果として、会社は静かに弱くなっていきます。
「ちゃんとした会社」は、どう作られるのか
ここで重要なのは、「一気に全部整えること」ではありません。
必要なのは、次の3点です。
① 判断の基準を言語化する
何を大切にして、どこで線を引くのか。
法的にOKかどうかだけでなく、組織としてどうあるべきかを整理します。
② 制度と運用をつなぐ
就業規則や評価制度を「あるだけ」にしない。
- 誰が
- どの場面で
- どう使うのか
判断に直結する部分から、実際に回る形に整えていきます。
③ 判断を属人化させない
社長の頭の中だけにある判断を、少しずつ外に出していく。
- 管理職が予測できる
- 過去の判断と矛盾しない
- 説明できる
この状態が整ってくると、社長は「迷わなく」なります。
「ちゃんとした会社」に近づくと、何が変わるのか
変化は、静かに現れます。
- 問題が起きても、慌てなくなる
- 管理職の対応が揃ってくる
- 社員の不満が、感情論になりにくくなる
- 社外からの見られ方が変わる
投資家や株主、求職者や新入社員が会社を見たとき、
そう感じてもらえるようになります。
経営者一人で抱える必要はありません
「ちゃんとした会社にしたい」と思う経営者ほど、一人で考え、一人で悩みがちです。
しかし、判断の質を上げることは、孤独な作業ではありません。
必要なのは、
- 現状を冷静に整理し
- 判断の癖を可視化し
- 組織に合った形で実装していく
そのための、長期的な伴走です。
「ちゃんとした会社にしたい」と思ったとき、何から始めるべきかを一緒に整理し、無理のない形で、確実に前に進めるための支援を、当社は行っています。
おわりに
「ちゃんとした会社にしたい」
その言葉が出たときは、会社が次の段階に進もうとしているサインです。
大切なのは、焦って形だけを整えることではなく、判断の水準を、組織として引き上げること。
それが、長く信頼される会社の土台になります。
投稿者
- ハラスメントを排し、個の真価を最大化する。ケンズプロは、日本の技術が世界を席巻する『正道』を論理で描く、組織ガバナンスの専門パートナーです。
