「人的資本経営」とは-基本編

人的資本経営とは、人材を「資本」として捉え、その価値を最大限に引き出すことで、中長期的な企業価値向上につなげる経営のあり方です(経済産業省による定義)。
人材を「資源=コスト」と捉えると、人材にかけるお金をできる限り抑えて、効率的に動かすことに重きが置かれます。
「資本」、すなわち企業価値を高め利益を生み出す源泉と捉えると、人材への投資を増やすこと、人材そのものの価値を高めることに注力するようになります。
人材は、消費するものではなく、投資するものです。
語弊はありますが、人材は金食い虫ではなく、金のなる木なのです。

全体像

企業の競争優位性を見据えた人材戦略を構築し、実践し、その過程と成果を可視化・開示する

中小企業の人的資本経営の全体像
人的資本経営のイメージ
そして、実践と開示を繰り返し継続しながら、企業価値を高めていきます。

人的資本経営の二本柱「実践」と「開示」

人的資本経営のステップ

企業の変革の方向性

「人材版伊藤レポート」では、Covid-19、産業構造の急激な変化、少子高齢化、人生100年時代の到来、個人のキャリア観の変化等、企業や個人を取り巻く環境の大きな変化を踏まえ、今後のアクションの羅針盤となる変革の方向性が示されています。
企業が直面している課題は、人材面での課題と表裏一体であり、スピーディーな対応が不可欠であるため、各社がそれぞれ企業理念や存在意義(パーパス)まで立ち戻り、持続的な企業価値の向上に向け、人材戦略を変革させること、またこれまでの成功体験に囚われることなく、企業も個人も、変化に柔軟に対応し、想定外のショックへの強靭性(レジリエンス)を高めていく変革力が求められる、としています。
人的資本経営 伊藤レポート 変革の方向性

(出典)『人的資本経営の実現に向けた検討会報告書~人材版伊藤レポート2.0~』(令和4年5月 経済産業省)
https://www.meti.go.jp/policy/economy/jinteki_shihon/pdf/report2.0.pdf<

つまり、

これまでの日本企業は、ヒト・モノ・カネの経営三要素のうち、
ヒトが最重要と認識していながらも、モノとカネを重視し、
ヒトへの投資は優先順位を低く設定していた。

人材は「資源(Resource」ではなく「資本(Capital)」であり、
人材こそが企業の継続的な価値創造の源泉となる。
ゆえに経営戦略と人材戦略は表裏一体のものであり、
人事は、経営陣や取締役会が主導すべき経営上の最重要領域である。

そしてその「人」は、企業の所有物ではなく、自律した「個人」であり、
企業と対等な立場で、選び選ばれ、共に成長し、イノベーションを起こしていく
多様でオープンなコミュニティ的関係性である。

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