中小企業が人的資本経営に取り組む意義

人的資本経営という考え方自体は、真新しいものではありませんが、世界の動きや政府の働きかけ、ESG投資やSDGsといった社会的関心の高まりなどを背景に、近年急速に広がり、浸透しています。
日本では大企業が投資家向けに取り組むものと考えられがちですが、意外にも中小企業も取組を積極化していて、企業規模を問わず、投資判断指標としての活用目的よりも、生産性向上や企業価値の向上、組織力強化や従業員エンゲージメントの向上などの効果に期待し活用しているようです。
パーソル総合研究所が「人的資本情報やその開示に関して社内で議論しているかどうか」を調査したところ、「議論している」とする企業の割合は、上場企業と非上場企業とでは10ポイント程度しか差がなく、非上場企業でも議論が進んでいることが明らかになっています。
人材と経営の距離が近い中小企業こそ、人的資本への投資が効果に直結しやすいことからも、中小企業こそ取り組むべきですし、多くの中小企業が取組を加速する中、遅れを取れば、「従業員から選ばれない企業」になってしまいます。
消費者も、「エシカル消費」に見られるように、働く人の人権が尊重されている企業かどうかを、消費方針の重要な一指標とするようになっています。
商品そのものの質だけでなく、人権や環境問題への配慮が、商品や企業の付加価値となるのです。
従業員や顧客、株主等から選ばれる企業であるために、人的資本の価値を最大限に引き出すこと、またその価値を可視化し開示することが重要です。

非上場・中小企業も人的資本経営に取り組む意義は大きい

これまでも、働き方改革や人材確保策、ハラスメント対策、報酬・評価の見直し、健康経営など、企業は「働きやすさと働きがい」向上に取り組んできましたが、そこには経営戦略という視点が盛り込まれていない、または重視されていませんでした。
これまで取り組んできた人材戦略を、経営目標達成や経営課題解決を踏まえて改めて構築することで、人材戦略への取組が企業経営そのものにメリットをもたらすのです。
中小企業が人的資本経営に取り組むメリット

中小企業が人的資本経営に取り組む目的

パーソル総合研究所の調査によると、非上場企業においても、人的資本情報やその開示について活発に議論されるようになっています。
さらに、同研究所の調査結果からは、開示に関し各社が以下の要素を重視していることがわかります。
中小企業が人的資本経営に取り組む目的

(出典)パーソル総合研究所 「人的資本情報開示に関する実態調査」(2022年 3月3日-3月7日)https://rc.persol-group.co.jp/thinktank/data/human-capital.html

これらは、上場・非上場や企業規模を問わず関心を抱く要素です。
中小企業も人的資本経営に取り組み人的資本情報を開示することでメリットを享受できます。

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