カスタマーハラスメント(カスハラ)

カスタマーハラスメント(カスハラ)とは

カスタマーハラスメント(カスハラ)とは、顧客や取引先等からのクレームや言動のうち、当該クレーム・言動の要求の内容、または当該要求を実現するための手段・態様が社会通念に照らして著しく不相当なものであって、当該手段・態様により、労働者の就業環境が害される迷惑行為のこと。

UAゼンセン流通部門が公表している「悪質クレームの定義とその対応に関するガイドライン」では、顧客からのハラスメント(以下、「カスタマーハラスメント」という。)を「要求内容、又は、要求態度が社会通念に照らして著しく不相当であるクレームや顧客からの迷惑行為」と定義しています。

このガイドラインでは、カスタマーハラスメント問題の難しさとして悪質性の判断の困難さを指摘していますが、同時に、「業界団体が司法判断の他に、顧客からのハラスメントの判断基準を持ち、さらに企業や業界団体が基準を共有することによって、社会的事実として慣習法上のルールを形成し、企業が自発的・積極的にハラスメントへの対応を行いやすくする」としています。
企業及び業界団体が判断基準を作り共有することで、カスタマーハラスメントへの対応がしやすくなるということです。

(参考)厚生労働省資料「顧客等からの著しい迷惑行為の防止対策の推進に係る関係省庁連携会議(2021年1月21日)UAゼンセン資料」

厚生労働省が作成した「カスタマーハラスメント企業対応マニュアル」では、「顧客等からのクレーム・言動のうち、当該クレーム・言動の要求の内容の妥当性に照らして、当該要求を実現するための手段・態様が社会通念上不相当なものであって、当該手段・態様により、労働者の就業環境が害されるもの」と定義されています。

カスタマーハラスメント(カスハラ)とは?行為例をご紹介

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カスタマーハラスメント(カスハラ)の実態

厚生労働省が令和3年に公表した令和2年度「職場のハラスメントに関する実態調査」報告書から、カスタマーハラスメントの実態を読み解きます。
カスタマーハラスメントを経験した(何度も繰り返し経験した、時々経験した、一度だけ経験した、の合計)労働者の割合は、15%となっています。
業種別では、生活関連サービス業・娯楽業がトップ、次いでエネルギー業、不動産業等の順になっています。
受けた行為の内容は、⻑時間の拘束や同じ内容を繰り返すクレーム(過度なもの)が多く、次いで名誉毀損・侮辱・ひどい暴言、土下座の強要などもあるようです。
カスハラを受けた場所で見ますと、通常就業している場所での顧客等への応対時だけでなく、顧客等との電話やメール等での応対時も相当な割合に上っていて、顔の見えないコミュニケーションでの行為のしやすさも影響していると考えられます。

グラフやその他のデータは、詳細ページをご参照ください。

「カスタマーハラスメント(カスハラ)の実態」詳細ページへ

カスタマーハラスメント(カスハラ)対策の必要性

カスタマーハラスメントは、従業員、企業、他の顧客等に、甚大な影響を及ぼします。
特に、従業員への影響として、精神的な負担が大きく、業務のパフォーマンスが低下する他、深刻な場合には健康不良や精神疾患を招き、休職や退職につながるケースもあります。
厚生労働省の調査では、「怒りや不満、不安などを感じた」(67.6%)、「仕事に対する意欲が減退した」(46.2%)という影響が高い割合ですが、「眠れなくなった」「通院したり服薬をした」といった回答も見られ、心身の健康に深刻な影響が出ているケースもあります。

カスハラ(カスタマーハラスメント)を受けたことによる心身への影響

企業としては、直接的なやり取りや、社内での対応方針の検討、弁護士や警察との相談対応等、顧客対応に相当な時間的コストを強いられることがあります。
SNSへの投稿や、他の顧客の前での暴言・暴力などがある場合には、顧客離れや企業イメージの低下等の損失が想定されます。

カスタマーハラスメントに関する企業の責任

企業及び事業主として適切な対応をしていない場合、被害を受けた従業員から責任を追及される可能性がありますが、企業としてカスタマーハラスメント対策を十分に講じていたことで、安全配慮義務の責任を免れた裁判事例もあります。
企業、組織は、カスタマーハラスメントに対し十分な対応をとることが重要です。

【判例】カスタマーハラスメントに対する不適切な対応により損害賠償責任が認められた事例

私立小学校の教諭が児童の保護者から理不尽な言動を受けたことに対し、校長が教諭の言動を一方的に非難し、また、保護者の勢いに押されその場を穏便に収めるために安易に当該教諭に対し保護者への謝罪を求めたことについて、不法行為と判断され、A市(小学校を設置する市)及びB県(教員の給与を支払う)は損害賠償責任を負うと判断された。

企業が取るべき対応及び雇用管理上の防止措置

事業主が雇用管理上の措置(防止措置)のすべての項目を講ずることはもちろん、労使協議や安全衛生委員会等の場を活用するとともに、アンケート調査やヒアリング等を行うことが有効です。

  • 事前準備・予防策
  • カスタマーハラスメントが実際に起きた際の対応

「企業が取るべきカスタマーハラスメント対応及び雇用管理上の防止措置」詳細解説

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「何か起きてから」の対応では、費用も労力もかかり、従業員の精神は蝕まれ、解決が困難になります。
何も起きていない今のうちに、予防策を講じることが大切です。

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