大企業で相次ぐ不祥事、「閉鎖的な組織」が原因か

三菱電機や東芝、みずほ銀行などの大企業で不祥事が相次いだことについて、朝日新聞で特集が組まれていました。

繰り返される不祥事、声上げられぬ社員「上層部は自己保身に走る」(2021年12月29日 朝日新聞)
https://www.asahi.com/articles/ASPDY5RPFPDXULFA02C.html

「言われたとおりにやれ」と怒鳴られ 不正続く大企業、見えた共通項(2021年12月29日 朝日新聞)
https://www.asahi.com/articles/ASPDY56F5PDXULFA023.html

各社の調査報告から、不正が続く背景が探られています。

三菱電機の調査委員会報告書は、不正を知っても「上層部が自己保身に走る」という不信感から通報できなかったという社員の声を紹介し、社員が萎縮し上層部にものを言えない「閉鎖的な組織」を問題視しているということです。
声を上げても「言われたとおりにやれ」と怒鳴られることが度々あり、過去にも不正に対し取締役や監査役らが適切に調査しなかったという経緯があるそうです。

システム障害を繰り返したみずほ銀行では、情報が経営陣まで伝わりにくく経営陣に忖度する「内向きの姿勢」と、責任の所在があいまいであることが通報・周知を遅らせたと報告され、金融庁が「言うべきことを言わず、言われたことしかやらない」という組織の見直しを促しています。

東京電力ホールディングスでは、IDカードの使用や防犯装置等に関する「核セキュリティー」の基本ルールが守られていなかったことが指摘されています。
調査報告書からは、「ものを言えない風土」や組織が責任を個人に「丸投げ」していると感じている社員の苦悩が伝わり、「風通しの悪さ」はトラブル隠しやデータ改ざん、原発事故などを繰り返してきたこれまでも繰り返し指摘されてきましたが、解消されていないということです。

東芝では、株主総会をめぐる圧力問題で、経営陣の一部に企業倫理に反する行為があったとされ、経済産業省を頼りにしすぎる「行政依存」の体質であったとのこと。

各社とも、拠点や部門間の人事異動を増やしたり、外部人材の登用を進めたり、失敗に関する情報をその都度社内で共有するなど、再発防止策に取り組むとしていますが、先行きは暗いままです。
社外取締役を増やしても、社長に寄り添う「イエスマン」を増やしても意味はなく、社外の目で経営を監視するガバナンス(企業統治)が十分に機能しなければならないのは言うまでもありません。

内部通報者保護制度の徹底遵守や、風通しの良い企業風土への変革等が求められますが、それがただの「決り文句」「締めの挨拶」で終わらないよう、各社ともさらに具体的に明確に経営計画に盛り込むなど、経営の核として取り組む本気の姿勢が必須であると考えます。

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株式会社 ケンズプロ
株式会社 ケンズプロ
ケンズプロは、パワハラ・セクハラ等ハラスメントや過労死・過労自殺、人権侵害、労働災害等のリスクから企業と労働者を守る労務危機管理コンサルティング会社です。