激増する熱中症死傷者数
厚生労働省の発表により、昨年に職場で熱中症にかかった人のうち、死者が28人、労災の報告義務がある4日以上の休業者が1,150人にのぼったことが判明しました。
記録的な猛暑を背景に、いずれも前年から倍増しており、4日以上の休業者が1,000人を超えるのは、恐らく過去最悪の数字だということです。
屋内作業でも要注意!かかりやすいのはどんなとき?
業種別では、従来から発生数の多かった建設業のほか、屋内作業が比較的多い製造業や運送業も前年からほぼ倍増しています。
熱中症が発生しやすいのは、気温が高い日だけでなく、梅雨の中休みや梅雨明け時など急に暑くなったとき、熱帯夜が続いたとき、照り返しが強い場所などです。
それほど気温が高くなくても湿度が高い場合は発生しやすくなります。
熱中症の諸症状
初期症状では、めまいや立ちくらみ、また、一時的に意識が遠のく、腹痛を感じる場合もあります。
この状態で、意識がハッキリしているようであれば、すぐに涼しいところで休ませ、衣服を緩めて風通しをよくし、体を冷やして適切に水分補給すれば、多くの場合は改善します。
しばらく様子を見ても症状が改善しない、まっすぐ歩けない、自力で水分補給できない場合には、すぐに医療機関を受診しましょう。
また、意識がない場合には救急車を呼びましょう。
重症が疑われる場合は、病院へ運ぶまで一人きりにしないことも重要です。
◆職場でおこなうべき熱中症への予防策
厚生労働省では、「STOP!熱中症クールワークキャンペーン」を展開し、職場での熱中症予防のための重点的な取組みを進めています。
まずは、暑さ指数計の準備、熱中症予防管理者の選任、適切な作業計画の策定、緊急時措置の確認、教育研修を行うなど、管理体制の整備が必要です。その後、以下のような対策をしていきましょう。
(1)暑さ指数(WBGT値)の把握、
(2)休憩場所の整備、
(3)涼しい服装の推奨、
(4)作業時間の短縮(暑さ指数に応じて休憩)、
(5)熱への順化(暑さに徐々に身体を慣らす)、
(6)水分・塩分の摂取 (定期的な水分・塩分摂取)、
(7)健康診断結果に基づく措置(リスクの高い疾患がある従業員には人員配置の際に医師の意見を聞く)、
(8)日常の健康管理、
(9)労働者の健康状態の確認、
(10)熱中症予防管理者による巡視
【厚生労働省「令和元年 「 STOP!熱中症 クールワーク キャンペーン 」 実施要綱」】
https://www.mhlw.go.jp/content/11200000/000510255.pdf
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