年度末、業種によっては一年で最も多忙な時期を迎えていらっしゃるのではないでしょうか。
労務上最も避けたい事件の一つが、過労死です。
働き方改革が推進され長時間労働の是正を余儀なくされている企業の皆様ですが、過労死を誘発するのは長時間労働だけではありません。
- 労働時間
- 不規則な勤務
- 出張
- 交代制勤務・深夜勤務
- 作業環境(温度環境・騒音・時差)
- 精神的緊張
以上のような要因が重なると、脳や心臓、呼吸器、消化器系の病に罹患したり、ストレスからうつ病になったりして、これらが悪化すると命に関わる事態に陥りかねません。
こうした要因が連続的に起こりやすい、つまり過労死リスクが高いと言えるのが、医療の現場です。
医師や看護師は、人の命を預かり、患者の家族からは「治して当たり前」と期待されるプレッシャーの中、深夜勤務あり、死と向き合うストレスありと、気持ちの休まるときがありません。
もちろん、仕事に重い責任がつきまとうのは医療従事者だけではありません。
建設業、運送業、飲食業等々、どの業種であれ、仕事のほとんどは、人の命や社会の安全に関わるものです。
その精神的緊張に、環境要因や私生活上の要因が重なると、疾病リスクが高まります。
ゆえに、過労死リスクを低減するには、残業を減らすだけでは足りません。
例えば、好きなことをしているときは何時間でも疲れ知らずで活動していられますが、嫌いな勉強をしているときはすぐに眠くなってしまうものです。
労働時間の長さ以外の、仕事の質、人間関係、環境などが多大な影響を与えるのです。
- 温度や騒音などの作業環境を快適にすること
- 勤務間インターバル制度を導入し連続した長時間勤務を禁止すること
- 情報の共有とコミュニケーションの活性化を図ること
- 能力主義を採用するのであれば、個人間競争ではなくチーム間競争で
- 人材育成に時間と費用をかけること
- IT技術やペアワーク等の導入によりミスや事故をシステム的に防止すること
- メンター制度や社内カウンセラー、社外相談窓口などを整備すること
- インシデントレポートを活用すること
- 出張・外出時には多少コストがかかっても、心身にとって楽な移動手段・宿泊施設を選択すること
- 出張の効率を上げ、出張頻度を下げること
等々、多方向からの多面的な対策を講じる必要があります。
命あっての仕事です。
命を犠牲にする働き方は、即刻改革すべきです。
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