BCP/事業継続力強化計画

BCP(事業継続計画)とは

日常的に発生する台風や大雪、インフルエンザの流行、非日常的な大地震、大火災、新型コロナウイルスや新型インフルエンザの流行等、企業活動を通常運転できなくなるような事態は、突然、かつ頻繁に発生します。

BCP(事業継続計画)とは、企業が自然災害、大火災、テロ攻撃などの緊急事態に遭遇した場合において、事業資産の損害を最小限にとどめつつ、中核となる事業の継続あるいは早期復旧を可能とするために、平常時に行うべき活動や緊急時における事業継続のための方法、手段などを取り決めておく計画のことです。

日本は常に災害と隣り合わせ
1995年 阪神・淡路大震災
2004年 新潟県中越地震
2011年 東日本大震災
2016年 熊本地震
2018年 平成30年7月豪雨
2018年 大阪府北部地震
2018年 北海道胆振東部地震
などなど・・・
2020年災害をもたらした気象事例

  • 7月3日~7月31日 令和2年7月豪雨(西日本から東日本、東北地方の広い範囲で大雨。4日から7日にかけて九州で記録的な大雨。球磨川など大河川での氾濫が相次いだ。)
  • 9月4日~9月7日 台風第10号による暴風、大雨等(南西諸島や九州を中心に暴風や大雨。長崎県野母崎で最大瞬間風速59.4メートル。)
  • 12月14日~12月21日 強い冬型の気圧配置による大雪(北日本から西日本の日本海側を中心に大雪。群馬県みなかみ町藤原で期間降雪量291センチ。関越道等で多数の車両の立ち往生が発生。)

気象庁統計情報(https://www.data.jma.go.jp/obd/stats/data/bosai/report/index_1989.html

2020年以降日本付近で発生した主な被害地震
2020年3月13日 石川県能登地方(最大震度5強)
2020年6月25日 千葉県東方沖(最大震度5弱)
2020年9月4日 福井県嶺北(最大震度5弱)
2020年12月21日 青森県東方沖(最大震度5弱)
2021年2月13日 福島県沖(最大震度6強)
2021年3月20日 宮城県沖(最大震度5強)

気象庁統計情報(https://www.data.jma.go.jp/svd/eqev/data/higai/higai1996-new.html

感染症の流行も
2002年 重症急性呼吸器症候群(SARS)
2009年 新型インフルエンザ
2012年 中東呼吸器症候群(MERS)
2020年 新型コロナウイルス「Covid-19」

事業継続力が脆弱な場合・・・

災害や感染症の影響を受けて気の毒・・・でも、取引先は、復旧を待ってはくれません。
事業停止期間が長くなるほど、多くの取引先を失うことになります。
早期に復旧するためには、平時より事業継続力を強化する取り組みが必要です。
BCPや事前対策のない企業は、ある企業と比較し、復旧までに3倍もの時間を要しています(出所:中小企業強靭化研究会中間とりまとめ(平成31年1月))。

BCP策定の効果

有事への備えは、平時にしかできません。

また、BCPに取り組んでいることを平時より対外的にアピールすることで、ステークホルダーからの信用を高めることができます。
風が吹けば飛んでしまう企業と、可能な限り頑丈な備えをしている企業、どちらと取引したいと考えるでしょうか。
地域や同業者と連携して、事業継続力の強化に取り組むことで、災害時だけでなく日常的にも経営に好影響がもたらされます。

事業継続力を強化することは、自然災害や感染症だけでなく、人的ミスや過労死等の労務危機、取引先の倒産、風評被害、社会の激変等様々なリスクへの備えとしても重要です。

BCPの策定について(目的・構成要素・策定手順等)

BCPにおける自然災害と新型感染症の違い

事業継続力強化計画

ただ、BCPは取り決めることが多く煩雑で、日常業務で多忙な中作成するのは難しく、なかなか中小企業には浸透していません。
そこで生まれたのが、BCPの簡易版「事業継続力強化計画」です。

事業継続力強化計画を申請し認定を受けることで、様々な優遇措置を受けることができます。

事業継続力強化計画

非常事態に遭っても、混乱や被害を最小限にとどめ、事業を続け、又は一時休止しても早期に復旧できるように、事前に備えるべきこと、非常時に行うべきこと、復旧時や平常時に行うべきことを、BCPまたは事業継続力強化計画にまとめましょう。

想定される事業停止リスク

  • 地震、台風、集中豪雨などの自然災害
  • 火災
  • 新型感染症
  • 企業の不祥事・社内外でのトラブル(ハラスメント・過労死・法令違反等)
  • 甚大な労働災害事故
  • 食中毒や異物混入など商品に関わる事故
  • 営業秘密情報漏洩
  • 重要システムの重大な障害発生
  • コンピュータウイルスによるシステム停止
  • テロ

国土強靱化の取組事例

内閣では、「強さ」と「しなやかさ」を持った安全・安心な国土・地域・経済社会の構築に向け、PDCAサイクルを繰り返し見直しながら、国土の健康診断を行い、国土の強靱化を推進するとしています。

内閣官房発行の資料の中で、「想定外とも言える大規模自然災害の歴史をふり返ると、これまで様々な対策を講じてきたものの甚大な被害により長期間にわたる復旧・復興を繰り返してきました。これを避けるためには、とにかく人命を守り、また経済社会への被害が致命的なものにならず迅速に回復する、「強さとしなやかさ」を備えた国土、経済社会システムを平時から構築すると
いう発想に基づき継続的に取り組むことが重要」と記載されています。

民間の団体や企業も、様々な独自の取り組みを行っています。

【内閣官房】国土強靭化