セカンドハラスメントとは

セカンドハラスメントとは、セクシュアルハラスメント(セクハラ)やパワーハラスメント(パワハラ)などの被害者に対し、加害者以外の第三者が、不快感や不利益、脅威を与えたり、身体や精神、尊厳を傷つけたりする行為のことです。

  • 被害者が、上司や同僚、友人、知人等周囲に相談したところ、「あなたにも問題があった」「その程度のことで不平を言うべきではない」「嫌なら辞めるしかない」などと逆に非難される
  • 相談したことにより降格、解雇、退職勧奨等人事上不利益な取扱いを受ける
  • 相談相手が、被害及び相談内容を第三者に漏洩する
  • 第三者から誹謗中傷や身体的攻撃を受ける

ハラスメントの被害だけでも傷ついているのに、さらに追い打ちをかけるように第三者からも心無い言動を受けるのですから、二重三重の苦しみになります。

セカンドハラスメントが告発を躊躇させる

特にセクハラは、被害者・告発者への風当たりが強いです。
セカンドハラスメントの存在を誰もが認識しているからこそ、被害に遭っても相談したり告発したりできず、泣き寝入りすることになります。
直接のセクハラ被害そのものではなく、周囲や世間からの誹謗中傷を苦に自殺するケースも実際に発生しています。
セカンドハラスメントは世界中のどの国にも存在しているため、なくすことはできませんが、少なくとも、自分が属している組織では、根絶しなければなりません。

第三者からの誹謗中傷例

  • (セクハラされた人に対して)自意識過剰。あなた(または被害者を指し「あの人」、以下同じ。)に性的魅力を感じる人なんていないよ
  • (セクハラされた人に対して)モテると自慢しているの?
  • (セクハラされた人に対して)あなたの服装が悪い
  • (セクハラされた人に対して)痴情のもつれでしょう
  • あなたにはハラスメントをされても仕方がない言動があった
  • あなたが弱いんだ
  • あの人(加害者とされた人)を訴えるなんて、何様だ
  • あの人(加害者とされた人)がそんなことをするはずがないのに
  • この業界では当たり前によくあること
  • 嫌なら辞めればいい
  • 金目当てか
  • 訴えた者勝ちだよね、等

行為・態度による攻撃

  • 石を投げる
  • 嫌がらせの電話を執拗にかける
  • 自宅の外壁に落書きをする
  • 暴行する
  • 刃物等で襲う
  • あることないことをインターネット上に掲載する
  • 個人情報を漏洩・拡散する、等

相談を受けたら

もしも相談を受けた場合には、否定、非難、反論、放置、隠蔽、漏洩してはなりません。
傾聴、受容、共感が大切です。

不適切な対応例

相談者にも問題があるような発言

  • あなたの行動にも問題があったのではないか
  • あなたにも隙があったのではないか
  • 過剰反応ではないか
  • 息苦しい世の中になったよね

行為者をかばう発言

  • あの人がそんなことをするはずがない
  • あの人は我が社に必要な人材だから
  • あなたが辞めるしかない

きちんと対応する意思を示さない発言

  • また今度何かあったら連絡して
  • 彼(彼女)も悪い人ではないから大げさにしない方がよい
  • あなたのためにも(この会社にいづらくなるから)、騒ぎ立てないほうがよい

遮断・封印・隠蔽

  • そんなことくらいで騒ぎ立てるな
  • 職場の空気が悪くなるからそのくらいは我慢した方がよい

相談者の意向を退け、担当者の個人的見解を押しつけるような発言

  • 上司に謝罪させたりしたら、職場に居づらくなるのではないか
  • ハラスメントと騒ぎすぎる今の世の中はどうかしている

相談者を排除するような発言

  • うちの職場には合わないのではないか
  • あなたが辞めるしかない

相談者を疑う

  • あなたは嘘を言っている
  • あなたが原因を作ったのでは
  • 騒ぎ立てる目的は何か?
  • あの人を陥れようとしているのか

不用意な慰め

  • あなたが魅力的だから、ついそのようなことをしてしまったのでは
  • あなたが優秀だから、将来を考えて言ってしまったのでは

行為者を一般化するような発言

  • 男性(女性)はみんなそのようなものだ
  • 昔の人だから、大目に見てあげて

無責任な励まし

  • 頑張って
  • 負けないで
  • 命までは取られないから
  • 死ぬわけじゃないから
  • あなたより大変な人もたくさんいるよ
  • みんな同じだよ
  • あなたは幸せな方よ
  • 辛いのはあなただけではない
  • 大丈夫
  • 何とかなるよ
  • 時間が解決してくれるよ

傾聴・受容・共感

傾聴

遮ったり否定したりせず、話を最後までゆっくり聞きます。
最初は話がまとまっていなかったり、些細なことと感じられたりしますが、相談者は相談員の反応をうかがいながら、また、たくさんの不安や恐怖を抱えながら、手探りで話し始め、徐々に心を開き、徐々に本題に入っていきますので、決して焦らずに聴いてあげてください。
目を見て、大きくうなずき、適切なタイミングで要約返しと共感の相槌を打ちながら。

受容

まずは、否定も肯定もせず、話を丸ごと受け入れます。
「わかりますた」「なるほど」という反応を。

共感

相談者の主張に同調したり鵜呑みにしたりすることはできませんが、相談者の言葉にできない気持ちも含め言いたいことを、言語化します。
一般的な共感とはやや異なります。同じように感じるということではなく、相談者の感情を理解したことを示すということです。
相談を受ける側は、必要以上に感情移入したり感情を表現したりすべきではありません。

「●●と言われたんです」→◯「辛かったのですね」(※「そんな風に言うなんて許せない」などは、不適切です。)
「ひどいと思いませんか?」→◯「ひどいと感じ、傷ついたのですね」(※「ひどいですね」などは、不適切です。)

もう一つのセカンドハラスメント

実は、自分が被害を受けていることを目撃している人たちが助けてくれないことも、被害者にとって大きなショックとなります。

  • 味方は誰もいない、
  • 加害者だけでなく世界中の人たちからも嫌われている、
  • 私はこの世界で一人ぼっちだ、

と感じ、精神的に追い込まれることもあります。

沈黙は加担に等しい

誰かが被害を受けているのを見て見ぬ振りをしたり、
悪口や陰口の場に同席していたりするだけで、
例え積極的にそれらに参加はしていないとしても、ハラスメントに加担しているとみなされます。

管理職には、安全に働ける職場を整備する責務がありますので、目撃した際には必ず注意しなければなりませんし、常に組織内にハラスメントやいじめの芽が潜んでいないか目を配り、気づいた際には必ず注意しなければなりません。
「知らなかった」「私は見たことがない」では済まされません。

一般職も同様に、「そういう話はやめよう」「それは不適切だ」と、加害者やコミュニティに注意できればするべきですが、立場的にそれが難しいのであれば、少なくともそのコミュニティから抜け、その場を立ち去り、会社のホットラインなどに情報を提供すると同時に、被害者を孤立させないよう気にかけ声をかけ配慮することが大切です。

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