【働く人向け】介護に直面したら〜仕事と介護の両立

親の介護は、多くの方がいつかきっと必ず直面する大きな出来事です。

40〜50歳代正社員の8割近くが、仕事と介護を両立することに不安を持っています。
その不安から、年間約10万人と多くの方が退職しますが、介護のために離職すると、精神的、肉体的、経済的な負担が増加しているのが現状です。
介護離職で楽になるわけではないのです。

もしも介護に直面したりその可能性が高くなったりしたら、人事担当者や上司に、「介護について課題がある」「介護に直面している」「介護に直面する可能性がある」ことを、早めに伝えましょう。
仕事も親孝行も諦めないで、両立を図りましょう。
そして、理解し合い助け合いながら、職場全体が一丸となって、両立できる体制や環境を整えていきましょう。

まだ介護をしていない方へ〜日頃から心がけておくこと

  • 介護はいつ始まるか分からないからこそ、いざというときに慌てないよう、事前にしっかりと準備しておきましょう。
  • 今後もしも直面した場合にどうするか、調べたり家族と話し合ったりすることが重要です。
  • 親だけでなく、自分の配偶者や子ども、兄弟姉妹、親戚、親の近所の方々や交友のある方々とも、日頃からコミュニケーションをとり、良好な関係を築いておきましょう。
  • 親の住む地域の「地域包括支援センター」の情報を確認しておきましょう。
  • 介護保険制度・介護サービス、職場の両立支援制度の概要を把握しておきましょう。
  • いざ介護に直面したときに急に働き方を変えるのは難しいため、今から、業務改善に取り組み、効率的に働き成果を上げる工夫を試みておきましょう。
  • 「親が元気なうちから把握しておくべきこと」(https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11900000-Koyoukintoujidoukateikyoku/0000150072.docx)を把握しておきましょう。

介護に直面したら

  • 職場に「家族等の介護を行っていること」を伝えましょう。
  • 必要に応じて勤務先の「仕事と介護の両立支援制度」を利用しましょう。
  • 介護保険サービスを利用しましょう。自分で「介護をしすぎない」ことも大切です。
  • 介護保険の申請は早めに行い、要介護認定前から調整を開始しましょう。
  • 信頼できるケアマネジャーを選び、職場の状況などもしっかりと伝えましょう。ケアマネジャーを信頼し、「何でも相談」しましょう。
  • 介護を深刻に捉えすぎずに、「自分の時間を確保」しましょう。

→厚労省の資料をご参照ください。
『仕事と介護 両立のポイント(概要版)〜あなたが介護離職しないために』(https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11900000-Koyoukintoujidoukateikyoku/29_gaiyoban_all.pdf

<人事担当者や上司との面談を通じて>

人事担当者や上司との三者面談を通じ、企業が作成する「仕事と介護の両立支援プラン」を活用して「仕事と介護の両立計画」をつくり、必要に応じて、働き方を調整したり、両立支援制度を活用することで、仕事と介護の両立をはかりましょう。

介護休業は、約3か月間利用できると法律で定められています。
これは、長期間自分で介護をするための制度ではなく、介護の体制作りをする、介護の準備をするための制度です。
利用する場合は、この期間中に介護環境を整え、可能な限り早期に職場復帰することを前提に、プランを立てましょう。

各企業が独自に導入している制度もあります。勤務先にはどのような制度や支援体制があるのか、面談を通じて確認しましょう。

介護をしている期間を「キャリアの中断期」とするのではなく、限られた時間でも能力を発揮し成果を上げ活躍できるよう、人事担当者や上司と相談しながら、働き方やリスキリングを検討しましょう。

<ケアハラスメントとは>

社員が介護をすること又は介護休業等の申出・取得等を理由として、解雇その他不利益な取扱いをしたり、上司や同僚が嫌がらせをしたりすることにより、当該社員の就業環境を害することを、「ケアハラスメント(ケアハラ)」といいます。
介護や育児、自分の病気治療など、仕事に専念できない状況は誰にでも起こり得るものです。「お互い様意識」で支え合いましょう。
もしも、ケアハラを受けた場合は、受けたからといってすぐに離職せず、まずは会社の相談窓口などにご相談ください。

<参考文献>

  • 厚生労働省委託 仕事と介護の両立支援事業(三菱UFJリサーチ&コンサルティング) 『「介護支援プラン」普及研修「仕事と介護の両立支援に向けて(2016年10月)
  • 厚生労働省 動画『仕事と介護の両立に向けて』

投稿者

株式会社 ケンズプロ
株式会社 ケンズプロ
ケンズプロは、パワハラ・セクハラ・ペイハラ・カスハラ等ハラスメント対策や女性活躍推進、採用ブランディングなどを支援する人事コンサルティング会社です。