WHOが設立された1984年4月7日を記念した世界保健デー。
2022年のテーマは、「私たちの地球、私たちの健康(Our planet, our health)」です。
以下、案内文を引用します。
厚生労働省「2022年世界保健デーのテーマは「私たちの地球、私たちの健康」です。」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hokabunya/kokusai/who/worldhealth2021_01_00001.html
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私たちの住む地球の気候変動は、大気汚染、異常気象・猛暑、媒介生物の生態系の変化、水質の変化、食料不安、自然環境の悪化等を介して、私たちの健康に様々な影響を与えると言われています。
WHOは、人々と地球を健康に保ち、ウェル・ビーイングに焦点を当てた社会を作り出すために、世界は迅速に行動することに目を向けるべきと訴えます。
気候の危機は健康の危機
WHO(2021年)によると、毎年世界では1300万人以上の人々が本来ならば避けられる環境要因によって亡くなっています。
この死亡には、人類が直面する唯一最大の健康への脅威である気候変動による死亡も含まれています。
私たちの日々の政治、社会、商業における決断が、気候と健康の危機に拍車をかけています。
例えば、世界の90%以上の人々が化石燃料の燃焼によってもたらされる健康に悪い大気を吸っています。
私たちが、もしパリ協定が掲げる目標を達成できれば、大気汚染の削減だけで、世界は2050年までに年間約100万人の命を救うことができます。
温暖化した世界では、マラリアやデング熱等を媒介する蚊がかつてないほど遠くへ、そして速く病気を運びます。
異常気象、土地の劣化、水不足は、人々を強制的に移住させ、健康に影響を及ぼしています。汚染物質やプラスチックは、最も深い海の底や最も高い山々でも発見され、食物連鎖に入り込んでいます。
さらに、不健康な食品・飲料を生産するシステムは、多くの肥満を引き起こし、がんや心臓病を増加させています。
これは温室効果ガスの3分の1を発生させているとも言われています。
温室効果ガスであるCO2の排出量を削減することでもたらされる健康への恩恵は、削減対策にかかるコストの約2倍になると見積もられています。
気候変動に向けた国際的な対応
WHOは、気候変動は健康の環境決定要因であるとして、2017年には、気候変動の影響が著しく現れていた小島嶼開発途上国(SIDS)の厳しい状況に立ち向かうために「気候変動と健康に関する小島嶼開発途上国(SIDS)イニシアティブ」を立ち上げました。
また、2019年の世界保健総会では、WHOは国際社会に対し、「健康、環境と気候変動に関する世界戦略」を提案し、世界が環境や気候変動による健康リスクと課題にどのように対応すべきかを示しました。
本戦略の進捗は、2021年の世界保健総会でも報告されました。
日本における気候変動に向けた取組
気候変動の影響により、日本でも熱中症による救急搬送や死亡者が増えています。
政府は、暑さへの「気づき」を呼びかけるため、2021年4月より熱中症警戒アラートを全国に展開しています。
また、「熱中症対策行動計画」を策定し、関係府省庁が一体となって取り組んでいます。
都道府県等では、蚊によって媒介される感染症の発生の予防とまん延防止のために、特に感染症を媒介する蚊が発生する地域で、継続的な観測、蚊の幼虫の発生源の対策、成虫の駆除、防蚊対策について注意喚起等を行っています。
また、感染症の発生動向の把握にも努めています。
気候変動の根本原因にも対策が必要です。
日本では、2030年度までに温室効果ガスを2013年度から46%削減することを目指し、さらに50%削減の高みに向け挑戦を続けることを総理が表明し、2021年10月に改定した地球温暖化対策計画4にも反映されています。
また、この新しい削減目標を踏まえ、第6次エネルギー基本計画において、2030年度の再生可能エネルギー比率の見通しを36~38%とするなどした新しいエネルギーミックスを示したところであり、その実現に向けて全力で取り組んでいきます。
厚生労働省でも、厚生労働行政に関連する各分野や所管組織で、温室効果ガスの削減を推進しています。
他方、気候変動対策の両輪とされる適応策について、政府は、「気候変動適応計画」で定めた分野別施策と基盤的施策に加えて、2021年10月の改定時には、健康、防災、農業等の幅広い分野で拡充しています。
私たちの身の回りでも気候変動対策として、フードロスへの取組や再生可能エネルギーの導入加速化等が進んでいます。
今後の展望
私たちの住むかけがえのない地球を健康に保つことは、私たちが健康で、幸福な生活を営む上で不可欠です。
厚生労働省は関係機関と連携しながら、気候変動がもたらす健康危機への対応を支援し、国際保健の議論に貢献していきます。
—–ここまで—–
地球を守ることは、私たち自身の健康を守ること、そして、未来の人権を守ることです。
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