新入社員の育成・定着作戦は既に始まっている! 迎える準備はできていますか?

4月から新入社員がやってくる!準備はできていますか?
ワクワクする反面、「思うように育ってくれない」「入ってもすぐに辞められてしまう」現実に、不安も募ります。
入社前の準備と、入社直後の対応が、明暗を分けます。

入社直前に実施すべきこと

新入社員を迎える側の「受け入れ態勢」を整えるため、次のことを実施しましょう。

  1. パワハラ・セクハラ防止研修
  2. 「みんなで育てようポリシー」社内発信

1.パワハラ・セクハラ防止研修

自社独特のパワハラ文化・セクハラ文化は、中にいると気づかないもので、1年前は新入社員だった社員も、気づかぬうちに文化に染まり、無意識的にハラスメント加害者の気質を身に着けてしまっているものです。新入社員はその文化に衝撃を受け、「私には合わない…」と早期退職してしまいます。新入社員を迎えるタイミングで、できれば全社員に、少なくとも管理職に、ハラスメントの基本をおさらいする研修を実施しましょう。

2.「みんなで育てようポリシー」社内発信

「誰も面倒を見てくれない」「誰に質問すればいいかわからない」「質問してもぶっきらぼう」…既に出来上がっているコミュニティに加入するのは、誰にとっても不安で、孤独です。その孤独感が、新入社員を追い出してしまいます。
育てるのは、みんなの仕事で、みんなのためです。そのポリシーを、社長が、全社員に、しっかり時間を確保して語ることが大切です。

  • 「我が社の人材育成ポリシー」
  • 指導係一人に押し付けるのではなく、後輩を育てるのはみんなの大切な仕事であること
  • 新人のうちは「できなくて当たり前」であること
  • 質問には丁寧に答えること
  • 「やれ」の前に、「教える」こと
  • 指示を出すときは「目的」を説明すること
  • 数字・固有名詞で具体的に指示を出すこと
  • 困っていないか気にかけ、困っていたら助けること
  • 後輩へのサポートが全社員の、部下の成長・成功が管理職の、評価になること

入社後

【入社後】新入社員研修は重要!

業務のこと・技能的ことだけでなく、会社のこと、社会人として心得ておくべきことなどを、入社直後から数か月間かけて、丁寧に教えていきます。
新入社員だけでなく、入社後3〜5年に一度全社員が受講することとし、先輩社員たちも一緒に学ぶのも非常に有意義です。

  • 企業理念、使命・社会的意義、目標、社歴
  • 企業文化、あるべき社員像
  • 事業の目的・全体像・目標
  • 組織図・関係者マップ(誰を頼ればいいのか)
  • 就業規則
  • 職業倫理
  • 業界のルール・慣習
  • 教育訓練の内容とスケジュール
  • 入社後一年間の業務内容・意義・期待されていること・目標
  • 勤続年数ごとの業務内容・裁量(キャリアパス)
  • ビジネスマナー・社会人としての基本的ルール
  • ハラスメント、いじめ、人権に関する基礎知識
  • 上司とのコミュニケーション、等

【入社後】面談

新入社員との面談では、本人の役割、キャリアパスや、研修で説明した事業の全体像や社会的意義と本人の仕事・役割との関連性などを説明します。
同時に、本人の不安や、強み、望むキャリアや働き方、目標などを丁寧にヒアリングします

  • 事業全体の中の「あなたの」役割・仕事の意義・目標
  • あなたの任務は事業に必要で重要であること
  • あなたの目標達成が事業の意義を高め、社会の役に立つこと

【入社後】関係者マップと相談先一覧を配布&説明

関係者マップ
言うまでもなく、仕事は、一人でできるものでも、自分の部署だけで完結するものでもありません。メンバーとの協力、部門を超えた連携が不可欠です。その関係図を作成し、配布します(企業規模により範囲は調整)。新入社員が仕事や会社の全体像を把握できますし、自分も会社の一員として受け入れられているという安心につながります。この「受け入れられている」という実感が、エンゲージメントを高めます。

  • 新入社員が属する部門の各メンバーの役割とつながりを図化
  • 他部門の役割と自部門とのつながり
  • 他部門の主なメンバーの役割と、自部門や新入社員とのつながり
  • 主な相談先(担当者)を一覧化

【入社後】歓迎会の注意点!

多くの企業様が、コロナ後初めて歓迎会を開催されるのではないでしょうか。久しぶりのことに気分が高揚しますが、浮かれすぎには要注意です。新卒採用なら、新入社員は授業の多くをリモートで受け、マスクで過ごし、先輩たちとの飲み会にも参加せずに学生生活を終えてきています。お酒にも、人との接近にも、宴会の雰囲気にも慣れていませんし、会社の先輩たちの悪ノリにもついていけません。一歩間違えば「パワハラ」「セクハラ」となり、受けた社員は辞めるか、SNSで拡散するかです。酒席ではハラスメントの発生率が劇的に高まります。刑事事件に発展することもあります。
そこで、次のような注意喚起をしておくことが望ましいです。以下はあくまで例です。禁止事項が多いとせっかくの飲み会もつまらなくなりますので、各社様の企業文化や起こりやすいトラブルに合わせて、いくつかをピックアップし周知されることを推奨しています。

  • 一気飲みをしない、させない
  • 「飲んでるかい?」「全然飲んでないじゃん」などの言葉でお酒を勧めない。強要厳禁。
  • 最初からソフトドリンクを置いておき、ソフトドリンクを飲んでいても非難したりからかったりしない
  • お酌を強要しない
  • ゲームをしない(飲ませゲーム、罰ゲーム、王様ゲームは危険)
  • 料理は各自で取り分けるか、小皿料理にする
  • ボディタッチ厳禁
  • 猥談や、恋愛・家族・性自認等に関する質問は禁止
  • 絡まない
  • お説教や若い頃の武勇伝自慢、「最近の若いヤツは…」などの話を控える(パワハラになりやすい)
  • 誰かが新入社員を独占しない(パワハラやセクハラになっている可能性が高い)
  • 記憶や理性を失うほどのお酒を飲まない
  • 先輩・上司が酔いつぶれて醜態をさらし、信頼失墜、失望させることのないように
  • 原則一次会で解散。二次会は完全に任意で
  • 録音・録画・拡散されても問題にならない振る舞いを
  • あくまで「新入社員を歓迎する会」であることを忘れない
  • コロナが終息していない中、宴会自体に抵抗がある人も多いことを前提とする。まだまだ接近やマスクなし会話に抵抗がある人も多い
この人材確保難の時代に、せっかくご縁があって巡り会えた貴重な大切な新入社員を、「孤立させる」「いじめる」「威圧する」ことによって逃してしまうなんてことのないように。新入社員が「受け入れられている安心感」を持てるよう、全社一丸となって、しっかり準備、しっかり歓迎しましょう。

投稿者

株式会社 ケンズプロ
株式会社 ケンズプロ
ケンズプロは、パワハラ・セクハラ・ペイハラ・カスハラ等ハラスメント対策や女性活躍推進、採用ブランディングなどを支援する人事コンサルティング会社です。