全日本交通運輸産業労働組合協議会(交運労協)は、2021年5月から8月にかけて、交通運輸・観光サービス産業における利用者からの悪質クレーム(迷惑行為)防止に向けた取組として、組合員に対するアンケート調査を実施し、20,908名の回答を集約、公表しました。
交運労協『悪質クレーム(迷惑行為) アンケート調査」報告書』(2021年11月公表)
http://www.koun-itf.jp/publics/index/1/detail=1/c_id=227/page227=1/type014_227_limit=1/#page1_227_8
結果の概要
以下は、報告書から一部を抜粋し、当社にて編集した概要です。
全データ及び詳細は、交運労協のウェブサイトからご確認ください。
一般的なカスタマーハラスメント(カスハラ)について
直近2年以内で利用者等から迷惑行為の被害にあったことはあるか?
迷惑行為にあった 46.6%
迷惑行為にあわなかった 53.4%
業種別
タクシー 58.0%
バス 54.4%
鉄道 52.4%
航空 41.8%
観光サ<ービス 40.4%
直近2年以内でどのくらい、利用者等から迷惑行為にあったか?
1〜5回 77.3%
6〜10回 12.5%
16回以上 6.6%
11〜15回 3.6%
被害経験「11回以上」割合10%超の業種
鉄道
バス
海運・港湾
直近2年以内で迷惑行為は増えていると感じるか?
増えている 57.1%
減っている 6.5%
変わらない 24.6%
わからない 11.7%
業種別
航空 69.1%
バス 63.8%
トラック 56.5%
鉄道 54.4%
これらの業種でカスハラをより実感している。
社会全体の閉塞感から、利用者個々人が不満や不安を抱いていて、迷惑行為という形で鬱憤を発散しているのかもしれません。
最も印象に残っている利用者等からの迷惑行為
暴言 49.7%
何度も同じ内容を繰り返すクレーム 14.8%
威嚇・脅迫 13.1%
権威的(説教)態度 9.4%
長時間高速 3.6%
暴力行為 2.8%
セクハラ行為 1.1%
SNS・ネットでの誹謗中傷 0.8%
金品の要求 0.4%
土下座の強要 0.3%
業種による特徴
「暴力行為」が多い・・・鉄道・タクシー
「土下座の強要」が多い・・・鉄道・タクシー・バス
「SNS・インターネット上での誹謗・中傷」が多い・・・鉄道・トラック・バス
「金品の要求」が多い・・・タクシー・観光サービス
迷惑行為を体験した後、心身の状態に変化はあったか?
嫌な思いや不快感が続いた 50.0%
腹立たしい思いが続いた 17.9%
(中略)
同じようなことが起こりそうで怖かった 4.5%
寝不足が続いた 0.9%
心療内科などに行った 0.5%
企業で実施されている迷惑行為への対策は?
特に対策はされていない 39.5%
迷惑行為対策への教育 21.0%
マニュアルの整備 19.9%
専門部署の設置 11.6%
被害者へのケア 5.6%
教育やマニュアルの整備、相談窓口の整備等、複数の対策を組み合わせて実施することが有効です。
新型コロナに起因するキーワーカーへの迷惑行為について
キーワーカー(交通運輸・観光サービス産業の従事者)であることを理由に、新型コロナウイルス感染症に関する差別、偏見、誹謗・中傷等を含む迷惑行為を受けたことがあるか?
ある 20.2%
ない 79.8%
迷惑行為を受けた内容は?
暴言 40.1%
威嚇・脅迫 17.6%
消毒スプレー等をかけられた 7.9%
同居の家族が出勤や学校への登校の自粛を求められた 5.6%
SNSやインターネット上での誹謗・中傷を受けた 5.1%
病院の診断・検査等を断られた 4.8%
暴力行為 2.6%
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