パワハラとは・必要なパワハラ防止策

パワハラとは

パワーハラスメント(以下、「パワハラ」という。)とは、職場において行われる

  1. 優越的な関係を背景とした言動であって
  2. 業務上必要かつ相当な範囲を超えたものにより
  3. 労働者の就業環境が害されるものであり

1から3までの3つの要素を全て満たすもので、例えば以下のような言動がパワハラに該当し得ます。

  • 暴力を振るう
  • 大勢の人の前で叱責する・怒鳴る
  • 他人のミスの責任を負わせる
  • 無視する
  • 陰口をたたく
  • 個人のイメージ・評価を下げるような噂を流す
  • 実際よりも低く評価する。正当な評価をしない
  • 特定の個人にのみ必要な情報を提供しない
  • 特定の個人にのみ嘘のスケジュールや情報を与える
  • 必要性のない残業を強要する
  • 特定の個人にのみ発言の機会を与えない
  • 特定の個人にのみ有給休暇の取得を拒否する
  • 特定の個人のみ休憩時間が短い。又は休憩させない
  • 常に作業を監視する
  • プライベートなことにまで干渉する
  • 特定の個人にのみ注意や説教をする機会が多い。ことあるごとに説教する
  • 業務の指示が一貫していない
  • 学歴や出身地、家柄など業務と関係のないことに基づき責める。評価を下げる
  • 人格を否定するような言葉を浴びせる
  • 仕事を取り上げる。与えない
  • 著しく簡単な仕事・雑用ばかりをさせる
  • 嘲笑する
  • 侮辱的なあだ名を付ける 等々
厚生労働省「心理的負荷による精神障害の認定基準」によると、以下のような出来事があった場合に精神障害を発症しやすくなると考えられます。
https://www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/rousaihoken04/dl/120427.pdf

心理的負荷「弱」の例

  • 上司等による「中」に至らない程度の身体的攻撃、精神的攻撃等が行われた場合

心理的負荷「中」の例

  • 上司等による次のような身体的攻撃・精神的攻撃が行われ、行為が反復・継続していない場合
    • 治療を要さない程度の暴行による身体的攻撃
    • 人格や人間性を否定するような、業務上明らかに必要性がない又は業務の目的を逸脱した精神的攻撃
    • 必要以上に長時間にわたる叱責、他の労働者の面前における威圧的な叱責など、態様や手段が社会通念に照らして許容される範囲を超える精神的攻撃

心理的負荷「強」の例

  • 上司等から、治療を要する程度の暴行等の身体的攻撃を受けた場合
  • 上司等から、暴行等の身体的攻撃を執拗に受けた場合
  • 上司等による次のような精神的攻撃が執拗に行われた場合
    • 人格や人間性を否定するような、業務上明らかに必要性がない又は業務の目的を大きく逸脱した精神的攻撃
    • 必要以上に長時間にわたる厳しい叱責、他の労働者の面前における大声での威圧的な叱責など、態様や手段が社会通念に照らして許容される範囲を超える精神的攻撃
    • 心理的負荷としては「中」程度の身体的攻撃、精神的攻撃等を受けた場合であって、会社に相談しても適切な対応がなく、改善されなかった場合

パワハラが起こりやすい職場の特徴

  • 上司と部下のコミュニケーションが少ない
  • 正社員や正社員以外の様々な立場の従業員が一緒に働いている
  • 残業が多い・休みが取り難い
  • 仕事や社会貢献に対して真面目でない
  • 失敗が許されない、失敗への許容度が低い
  • 競争の激化、業務の多忙化、業績不振など職場環境の変化

企業に求められる対策

パワハラと教育的指導の境界線

組織の維持・発展のために必要不可欠な指導・教育であり、改善や向上を求めることに可能性と合理性があり、かつ就業規則等のルールに即していること、そしてその方法・手段が客観的に見て適切かつ合理的である場合には、教育的指導であると認められます。

指導・注意・叱責がエスカレートし、その目的を逸脱して、または目的もなく、相手の人格や尊厳を侵害し能率低下・健康悪化に追い込んだり、退職にまで追い込んだりすれば、パワーハラスメントに該当すると判断される可能性は高くなります。

個々のケースの判断においては、諸事情を考慮した上で総合的に判断する必要が当然にあります。

1.圧力性の有無

  • 権力や立場により相手が意見・反論・弁明する自由を与えない

2.関連性・必要性の有無

  • 注意や指導の内容が、ミスや業務の内容と関連性がない。必要性がない
  • 特定の人だけが厳しく扱われる
  • 過度に執拗である
  • 必要性もないのに、敢えて他の従業員の前で叱責する

3.個人的感情の有無

  • 客観的に見て、嫌がらせ目的であること、憂さ晴らしであることなどが明らかである(特定の人だけが厳しく扱われる。)

4.違法性の有無

  • 暴力や物を叩くなどの行為を伴う
  • 脅迫(違法性が高い)。必要以上に威圧的である。怒鳴る。大きな声で叱責する

5.健康上の被害

  • ストレスや疲労から、身体的又は精神的健康を害するに至った

パワハラにならない指導法8つのポイント

1.罪を憎んで人を憎まず

  • 「コト」を正す、人格や性格を否定しない
  • 問題となる具体的な行動や内容に焦点を絞る

2.必要性・目的を明確に示す

目的は、問題の除去と再発防止等であり、相手の人格を否定し傷つけることではありません。

  • 常に目的を意識して指導し、相手にも説明する
  • 改善しないとどのような危険や不利益があるのか

3.冷静に・短時間で

  • 感情的にならない、大声を出さない、しつこくしない
  • 暴力厳禁!

4.タイムリーに

  • 時間を置かない、後に引きずらない、蒸し返さない
  • 1回1用件、できれば5分以内で

5.弁明に耳を傾ける

  • 相手の言い分を封じ込めない
  • 決めつけない

6.人前で叱らない

  • 自尊心に配慮し、恥をかかせない
  • 指導する場所・環境は大事

7.新人はできなくて当たり前

  • やって欲しいことはやってと言う
  • 知っていてほしいことは丁寧に教える

8.未来への提案を

  • 過去への文句ではなく建設的な指導と提案を
  • 最後に、どのように伝わったかを確認する

パワハラの加害者にならないために

  • パワハラとは何か、他者はどのような言動を不快と感じるのかなど、意識を持って部下や同僚と接することが大切
  • 注意・指導・教育の際には、その目的を明確にし、その範疇を逸脱しないよう心がける
  • ミスや問題はその都度・そのときにのみ指導するようにし、後日まとめて注意したり、過去のミスを後々まで持ち出すようなことはしない
  • 注意の際には相手にも十分な弁明の機会を与える
  • 公平性を維持する
  • 過度に執拗にならないよう注意する
  • 感情的にならない
  • 暴力は絶対に振るわない
  • 相手の人格を侵害する言動は慎む
  • 社員の能力・個性・性格・世代には差異があり、個人的事情もあるということを認め、尊重・理解する
  • ある程度部下を信頼し、過度に干渉・監視しすぎない
  • 常に相手の立場・感情に配慮した言動を心がける

そのために

  • 部下や職場の仲間とのコミュニケーションを日ごろから大切にする。話しかけやすい関係・指導を受け入れられる信頼関係を築いておく
  • 小さなことでも、それぞれの部下の良いところ・評価すべき点を見つけ、「褒めること」を意識する
  • 万が一自分が同じことをされたら、パワハラだとは思いませんか?
  • 万が一自分の大切な人が同じことをされたら、パワハラだとは思いませんか?
  • 若い頃、こんな上司にはならないぞ、と誓ったことを思い出してみる

心理的安全性

安心して手を挙げ発言したり挑戦したりできる、安心して自分らしさを発揮しそこに存在できる、目指すのは、心理的安全性が約束された職場環境です。

詳しくは、コンサルティング・研修で

研修やコンサルティングでは、以上のポイントを詳しく解説いたします。
また、YouTubeでも不定期で情報発信を行っています。是非ご参照ください。

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