パワハラの実態
被害経験者のうち、「精神的な攻撃」を受けた方が最も多く、次いで「過大な要求」が多くなっています。
被害を受けた方は、強いストレスを感じ、そこから波及し仕事への意欲減退、コミュニケーション減少、不眠など、様々な影響を受けています。
https://www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/rousaihoken04/dl/120427.pdf
心理的負荷「弱」の例
- 上司等による「中」に至らない程度の身体的攻撃、精神的攻撃等が行われた場合
心理的負荷「中」の例
- 上司等による次のような身体的攻撃・精神的攻撃が行われ、行為が反復・継続していない場合
- 治療を要さない程度の暴行による身体的攻撃
- 人格や人間性を否定するような、業務上明らかに必要性がない又は業務の目的を逸脱した精神的攻撃
- 必要以上に長時間にわたる叱責、他の労働者の面前における威圧的な叱責など、態様や手段が社会通念に照らして許容される範囲を超える精神的攻撃
心理的負荷「強」の例
- 上司等から、治療を要する程度の暴行等の身体的攻撃を受けた場合
- 上司等から、暴行等の身体的攻撃を執拗に受けた場合
- 上司等による次のような精神的攻撃が執拗に行われた場合
- 人格や人間性を否定するような、業務上明らかに必要性がない又は業務の目的を大きく逸脱した精神的攻撃
- 必要以上に長時間にわたる厳しい叱責、他の労働者の面前における大声での威圧的な叱責など、態様や手段が社会通念に照らして許容される範囲を超える精神的攻撃
- 心理的負荷としては「中」程度の身体的攻撃、精神的攻撃等を受けた場合であって、会社に相談しても適切な対応がなく、改善されなかった場合
しかし、半数近くの方は、ハラスメントを受けた後、誰にも相談せずに泣き寝入りしたり、退職したりするに至っています。
その理由は・・・
実際、ハラスメントがあることや、あるかもしれないことを認識しても、勤務先は何もしてくれなかった、あるいは不利益な取扱いを受けたと回答している被害者が多くいます。
さらには、ハラスメントがあることを認定した後も、何もしてくれなかった企業が多いようです。
では、勤務先がハラスメントの予防・解決のための取組を行っている場合はどうでしょうか。
勤務先がハラスメント対策に「積極的に取り組んでいる」と評価した方は、パワハラを経験した割合が低くなっています。
さらに、ハラスメント対策に取り組むことで、コミュニケーションの活性化やエンゲージメントの向上など、副次的な効果も期待できます。
企業は、ハラスメント対策に積極的に取り組むべきです。
他社の取組を見てみましょう。
研修や就業規則、相談窓口の対策に取り組んでいるようです。
また、長時間労働の抑制や、コミュニケーションの活性化なども重視していることがわかります。
特に、下図のような特徴の職場で、ハラスメントの発生が多くなっています。
コミュニケーション不足がハラスメントを招き、ハラスメントがコミュニケーション不全を引き起こす、
長時間労働がハラスメントを招き、ハラスメントが長時間労働を引き起こす、
という悪循環に、多くの企業が陥っています。
ハラスメント対策を講じる際は、コミュニケーション活性化・円滑化や長時間労働是正の対策も不可欠です。
パワハラと教育的指導の境界線
組織の維持・発展のために必要不可欠な指導・教育であり、改善や向上を求めることに可能性と合理性があり、かつ就業規則等のルールに即していること、そしてその方法・手段が客観的に見て適切かつ合理的である場合には、教育的指導であると認められます。
指導・注意・叱責がエスカレートし、その目的を逸脱して、または目的もなく、相手の人格や尊厳を侵害し能率低下・健康悪化に追い込んだり、退職にまで追い込んだりすれば、パワーハラスメントに該当すると判断される可能性は高くなります。
個々のケースの判断においては、諸事情を考慮した上で総合的に判断する必要が当然にあります。
1.圧力性の有無
- 権力や立場により相手が意見・反論・弁明する自由を与えない
2.関連性・必要性の有無
- 注意や指導の内容が、ミスや業務の内容と関連性がない。必要性がない
- 特定の人だけが厳しく扱われる
- 過度に執拗である
- 必要性もないのに、敢えて他の従業員の前で叱責する
3.個人的感情の有無
- 客観的に見て、嫌がらせ目的であること、憂さ晴らしであることなどが明らかである(特定の人だけが厳しく扱われる。)
4.違法性の有無
- 暴力や物を叩くなどの行為を伴う
- 脅迫(違法性が高い)。必要以上に威圧的である。怒鳴る。大きな声で叱責する
5.健康上の被害
- ストレスや疲労から、身体的又は精神的健康を害するに至った
パワハラにならない指導法8つのポイント
1.罪を憎んで人を憎まず
- 「コト」を正す、人格や性格を否定しない
- 問題となる具体的な行動や内容に焦点を絞る
2.必要性・目的を明確に示す
目的は、問題の除去と再発防止等であり、相手の人格を否定し傷つけることではありません。
- 常に目的を意識して指導し、相手にも説明する
- 改善しないとどのような危険や不利益があるのか
3.冷静に・短時間で
- 感情的にならない、大声を出さない、しつこくしない
- 暴力厳禁!
4.タイムリーに
- 時間を置かない、後に引きずらない、蒸し返さない
- 1回1用件、できれば5分以内で
5.弁明に耳を傾ける
- 相手の言い分を封じ込めない
- 決めつけない
6.人前で叱らない
- 自尊心に配慮し、恥をかかせない
- 指導する場所・環境は大事
7.新人はできなくて当たり前
- やって欲しいことはやってと言う
- 知っていてほしいことは丁寧に教える
8.未来への提案を
- 過去への文句ではなく建設的な指導と提案を
- 最後に、どのように伝わったかを確認する
心理的安全性
安心して手を挙げ発言したり挑戦したりできる、安心して自分らしさを発揮しそこに存在できる、目指すのは、心理的安全性が約束された職場環境です。
詳しくは、コンサルティング・研修で
研修やコンサルティングでは、以上のポイントを詳しく解説いたします。




