新型コロナウイルスワクチンを「打った」「打っていない」を理由とした差別・嫌がらせ・不利益取扱いが問題になっています。
著名人がメディアで「私も打ちました」と発する光景は、ワクチン接種は肝試しかチキンレースなのかと錯覚するような違和感を覚えます。
インターネット上で拡散されている医学的根拠のないデマ情報に惑わされるのは不毛ですが、ワクチン接種後に亡くなっていて接種との関連性が疑わしいとされる例も1件2件ではない以上、それが何億分の1の確率でも、接種をためらう人がいるのは至極当然のことでしょう。
政府には、「大丈夫」を強調するだけでなく、どのような人は血栓ができやすいのか、接種と死亡の関連性が認められる例と認められない例の差は何なのか等、適切な情報の発信を願うところです。
生きるために接種するのに、接種により死亡するなんて、1件たりともあってはならないことだと思います。
命は、何億分の1ではなく、一つひとつがかけがえのない一分の一です。
ワクチンハラスメント(ワクハラ)の例
- 顔を合わせる度「打った?」と尋ねる
- 未接種者リストを作成し公開・回覧・拡散する
- 未接種者を解雇、出勤停止にしたり担当業務から外したりする
- 接種者を給与や労働時間等労働条件において優遇する
- 未接種者に「近づくな」「ウイルス」「犯罪者」等差別的発言をする
- 未接種者を仲間外れにする
- 副反応により休むまたは遅刻・早退することを認めず無理に出勤させる
- 副反応により休むまたは遅刻・早退したことを理由に嫌がらせや不利益な取扱いをする、等
それぞれの事情を尊重して
多くの人がワクチンを接種することが収束への近道であることは確かですが、様々な事情、理由により接種しないことを選択する人、選択せざるを得ない人がいます。
- アレルギーを持つ人
- 妊娠初期の人
- 副反応に強い不安のある人
- 主治医から指示を受けている人、等
リスクがゼロとは言い切れない以上、リスクとメリットどちらを重視するかは個々人の判断に委ねられなければならず、自分や多数派の「流れ」を個人に強要してはいけません。
ワクチンに関しては、「人は人、自分は自分」と捉え、他者の決定を尊重し、引き続き互いに感染対策を怠らないことが大切です。
企業の対策
企業として、以下のような対策を講じましょう。
- ワクチンハラスメントを禁ずる基本方針をトップが宣言する
- どのような言動が禁じられ、ワクハラがどのような悪影響を及ぼし、加害者はどのような処分を受けるのかを提示し文書及び口頭により注意喚起する
- ワクチンを打った・打っていないのリストを不必要に作成しない
- 必要性がありリストを作成する場合は、その必要性を全社員に説明し、情報収集・管理担当者を極力限定し、担当者以外に漏洩しないよう厳重に管理する(アナログ管理が望ましい)
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