ペイシェントハラスメント発生時、同僚等の対応

ペイシェントハラスメントの発生現場に居合わせた職員や、応援を要請された職員は、見て見ぬふりをせず、職種、関係性、立場に関わらず、自身にできる対応をします。

共通の対応

(1)見て見ぬふりをしない

  • ペイシェントハラスメントの現場に遭遇したら、 「どうしましたか?」「何が必要?」と声をかけることを習慣にする
  • 職種や関係性に関わらず

(2)役割に分かれ行動

  • 被害者対応、加害者対応、連絡調整の役割に分かれて行動する

(3)さらなる応援要請

  • 状況により、さらに他の職員に応援を求める
  • 一般的に、女性よりも男性の方が抑止力がある (体力的にも、心理的にも)

(4)情報共有

  • 状況により、その患者の受診科や関係部署に連絡し、共有する

被害者への対応

応急処置

  • 被害者には必要に応じて応急処置を行い、同僚または上司が付き添い、別室にて休ませる

責任者に報告

  • 現場の責任者(看護師長等)に口頭にて報告し、受診の指示を受ける

付き添い

  • 受診の際は可能な限り同僚または上司が付き添う

留意点

  • 被害者が自責の念を持つことがないように留意する
  • 被害者側の落ち度などの原因追求をしない
  • 「そんなことくらいで」「よくあること」など無責任な慰めで追い詰めないように

加害者への対応

複数名で対応

  • 現場の責任者(看護師長等) または主治医が加害者との交渉を担当し、複数で対応する(可能な限り警備担当者とともに行う)

距離を保つ

  • 加害者から一定の距離(両腕を広げた距離)を保つ

他の患者等を誘導

  • 部外者(他の患者等)を他の場所へ誘導する

加害者を説得

  • 落ち着くよう低い声でゆっくりと暴力行為をやめるよう説得する
  • 可能であれば暴力行為に至った理由や事情を確認し、解決を図る
  • 説得は職位のある者、職歴の長い者、暴力に関する教育を受けた者等が担当し、被害者になるリスクが高い者(※)は避ける

以下の者は被害者になるリスクが高いとされている

  • 女性、若年者、研修中又は試用期間中の者
  • 攻撃性に怯える者
  • 暴力に無抵抗である者
  • 他人のパーソナルスペースに不用意に侵入する者
  • 相手のプライドを傷つける、攻撃性を示す態度をする者
  • コミュニケーション技術が未熟な者(説明や確認の不足等)
  • 接遇教育を受けていない、会得していない者
  • 暴力対策の教育を受けていない、会得していない者

加害者を抑制

  • 説得が効果的でない場合は、興奮を鎮める・安全を確保する等の目的で抑制を行うこと、警察に通報すること等を説明する
  • 施設内のマニュアルに従い、抑制の知識・技術のある者(訓練を受けた看護者、警備担当者、警察等) が、安全を確保できる最小限の力で抑制する
  • 切迫性、非代替性、一時性を満たす場合に限られる
  • 精神科病院においては、厚生労働省があらかじめ社会保障審議会の意見を聴いて定める患者の隔離その他の制限は、指定医が必要と認める場合に限られる
  • 一定の距離を保ち、暴力により発生している状況、抑制の目的、今後の対応等を落ち着いた声でゆっくりと説明する
  • 抑制により苦痛が生じていないか常に窒息、内臓圧迫、関節可動域等を観察し、興奮が鎮まり必要がなくなり次第ただちに抑制を中止する
  • 加害者への対応、加害者の反応、抑制時の状況、理由等を記録する
  • ナイフ等の凶器所持など危険性が極めて高い場合には、安全確保を最優先とし、その場から避難するとともに施設全体に危険を知らせ、警察に通報する
  • 社団法人日本看護協会『保健医療福祉施設における暴力対策指針』https://www.nurse.or.jp/nursing/home/publication/pdf/guideline/bouryokusisin.pdf

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