ペイシェントハラスメント発生時、証拠収集・記録化

ペイシェントハラスメントが発生したら、できる限り速やかに、証拠を収集し、記録化します。

目的

  • 事実確認(事案内容・原因・損害等)
  • 再発防止策の検討
  • 法的措置(民事上及び刑事上の措置)

※警察に通報したとしても、民事訴訟等で必要な証拠は医療機関が独自に収集

直ちに

なぜなら、時間の経過とともに

  • 証拠が消失するから
  • 記憶が薄れるから
  • 事後の事象や情報に影響を受けるから

手段

  • 損傷・損壊部分の写真撮影
  • 再現映像の撮影
  • 図面や絵による記録
  • 文字による記録
  • ヒアリング記録・録音
  • 受診にかかる診断書・領収書
  • 修理にかかる見積書・請求書・領収書、等

写真撮影のポイント

保存したまま撮影

  • 見えやすいように動かしたり変形させたりせず、まずは、ありのままを撮影する
  • ありのままの撮影後、警察官の承諾を得て、見えやすいように動かしたりめくったりして撮影する

様々な距離や角度から

  • 細部まで捉えるように近づいて撮影したり、全体の位置関係や雰囲気がわかるように遠くから撮影したりする
  • 前後左右できる限り360度から撮影する

再現撮影

  • 被害者、行為者、その他の人や物の、位置関係・距離・動きなどがわかるように再現し、写真や動画を撮る

図面・絵で記録

  • 現場の平面図や、発生状況の絵などを、文字や矢印も入れて描く

計測

  • 距離が重要な事案の場合(例:殴られた・触られた・盗まれた等)は、距離を測る

ヒアリングのポイント

いつ

  • できる限り迅速に(記憶が薄れたり、事後の事象・情報に影響を受けるため)
  • ただし、被害者からのヒアリングは、精神的に落ち着いてから

どこで

  • できる限り大勢の面前を避け、静かで落ち着いた場所で

誰が

  • 管理職
  • ヒアリングの相手と信頼関係がある人
  • 中立的な立場で落ち着いて聞ける「聞き上手」な人

誰から

  • 被害者
  • 目撃者
  • その他関係者
  • (状況により)加害者及びその家族

何を

  • 6W1H

どのように

  • 急かさず、遮らず、否定せず、ゆっくり聞き、受容する
  • 沈黙しても焦らず、ゆっくり待つ
  • 動揺しているとき、辛そうなときは、時間を置く・日を改める
  • この段階では事実を正確に把握することに集中し、解決・助言・原因解明・責任追及しようとはしない
  • セカンドハラスメントに注意

起こり得るセカンドハラスメント

被害者はハラスメントそのものだけでなく、状況報告を行った際に上司や同僚から「あなたにも原因があった」「どうして避けられなかったのか」等の質問を受けることにより二次的な被害を受けることもあります。

  • 被害者にも原因があると責任追及する
  • 無責任で他人事のような慰めの言葉をかける
  • 事務的で無関心な聞き方
  • 決めつけ、先入観などで話をまとめようとし、被害者に話をさせない、傾聴しない
  • ヒアリングする者の見解を述べるばかりで、被害者に話をさせない、傾聴しない、等

記録のポイント

文書記録

  • 記録年月日、記録者、記録場所、対象者などを明記する
  • 録音機器の不具合があり得るため、できる限りこの場で記録に残す
  • 要点をまとめ、必要な箇所では「」でそのまま書き取る
  • 書き取りに必死になり、又は集中し過ぎて、聞き取りが不十分にならないように
  • 書記がいると良い
  • 可能であれば、記録後その場で対象者に確認してもらい、サインをもらう

録音

  • 対象者の許諾を得てから
  • 誰が誰にヒアリングし、誰の声かわかるように明記した「文字起こし」をすぐに行う(雑誌のインタビュー・対談記事などを参照)
  • 重要な箇所にはマーカーで印を付けておく

社団法人日本看護協会『保健医療福祉施設における暴力対策指針』https://www.nurse.or.jp/nursing/home/publication/pdf/guideline/bouryokusisin.pdf

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